4.高対人不安者の自己認識の方途に関する研究(第47回 日本心身医学会中部地方会 演題抄録)(学会報告)

1. 対人恐怖症者は理想自己と公的自己意識が高いといわれているが, それらが高くても不快刺激から注意転化でき, 規準適合する際にセルフ, サービング, バイアスが働けば対人不安は生じないと考え, 質問紙調査を行った結果, 対人不安の4因子のうち評価懸念と注意転化との間に有意な関連がみられた. 2. 対人恐怖症者について「甘えたくても甘えられない」「自惚れたくても自惚れきれない」という葛藤構造や, 強気と弱気という二面性が指摘されているが, 相反する感情や二面性は多かれ少なかれ誰もがもっている. 問題は, 優先させる感情の選択や二面性の使い分けがうまくできないこと, すなわち, 自己判断で自己の...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心身医学 2002/10/01, Vol.42(10), pp.685
Hauptverfasser: 水野, 有紀子, 村上, そのみ, 香津, 高秋, 山本, 子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:1. 対人恐怖症者は理想自己と公的自己意識が高いといわれているが, それらが高くても不快刺激から注意転化でき, 規準適合する際にセルフ, サービング, バイアスが働けば対人不安は生じないと考え, 質問紙調査を行った結果, 対人不安の4因子のうち評価懸念と注意転化との間に有意な関連がみられた. 2. 対人恐怖症者について「甘えたくても甘えられない」「自惚れたくても自惚れきれない」という葛藤構造や, 強気と弱気という二面性が指摘されているが, 相反する感情や二面性は多かれ少なかれ誰もがもっている. 問題は, 優先させる感情の選択や二面性の使い分けがうまくできないこと, すなわち, 自己判断で自己の行動を決定できないこと, つまり, 「自律性の低さ」にあると考え調査を行った結果, 対人不安と自律性との間に有意な関連がみられた.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.42.10_685_4