マルチフィードバック療法と認知行動療法の併用により軽快した慢性過敏性腸症候群の1症例
過敏性腸症候群(IBS)は腹痛や排便異常が頻発するため, 予期不安が強まり抑うつ状態や広場恐怖へと進展しうる. パニック障害に対し, マルチフィードバック療法(MBF)が効果的であるという経験を基に, 長期IBS症状により広場恐怖が出現した患者に対してMBFを実施した. 症例は35歳, 男性. 技術員. 主訴は, 腹痛, 下痢, 回避行動. IBS症状の改善と広場恐怖の解消を目的にMBFを行った. MBFにより筋電図の低下, 皮膚温度の上昇といった生体制御が得られIBS症状は軽減したが予期不安や広場恐怖は残った. MBFを継続し, 認知行動療法的アプローチにより認知の修正と行動変容を促したとこ...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 過敏性腸症候群(IBS)は腹痛や排便異常が頻発するため, 予期不安が強まり抑うつ状態や広場恐怖へと進展しうる. パニック障害に対し, マルチフィードバック療法(MBF)が効果的であるという経験を基に, 長期IBS症状により広場恐怖が出現した患者に対してMBFを実施した. 症例は35歳, 男性. 技術員. 主訴は, 腹痛, 下痢, 回避行動. IBS症状の改善と広場恐怖の解消を目的にMBFを行った. MBFにより筋電図の低下, 皮膚温度の上昇といった生体制御が得られIBS症状は軽減したが予期不安や広場恐怖は残った. MBFを継続し, 認知行動療法的アプローチにより認知の修正と行動変容を促したところ予期不安, 広場恐怖も解消した. 本症例のように長期にわたるIBS症状と強い予期不安を伴う場合, MBFによる生体制御の獲得と認知行動療法的アプローチを行うことが有効であった. |
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ISSN: | 0385-0307 |