代謝性アルカローシスにより高度な低O2血症を呈し, 意識消失発作の鑑別に苦慮をした神経性食思不振症の1例
症例は26歳, 女性. 16歳よりダイエットを始め, 18歳頃には過食, 自己嘔吐がみられるようになった. 何回かの自殺未遂歴もあり, 近医(精神科)にて神経性食思不振症, 境界型人格障害と診断されていた. 24歳頃より自己嘔吐の脱水による腎障害のため当科外来に通院していたが, 労作時の数秒の意識消失, 発作が出現するようになり, 精査目的にて入院した. 入院時, 代謝性アルカローシス, 高度な低O2血症と高CO2血症がみられたが, 輸血療法のみで改善し, 血糖値にも異常がなかった. その後も意識消失発作は続き, 原因不明の全身強直性痙攣もみられたため, 最終的に転換性障害による意識消失発作が...
Gespeichert in:
Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , |
---|---|
Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 症例は26歳, 女性. 16歳よりダイエットを始め, 18歳頃には過食, 自己嘔吐がみられるようになった. 何回かの自殺未遂歴もあり, 近医(精神科)にて神経性食思不振症, 境界型人格障害と診断されていた. 24歳頃より自己嘔吐の脱水による腎障害のため当科外来に通院していたが, 労作時の数秒の意識消失, 発作が出現するようになり, 精査目的にて入院した. 入院時, 代謝性アルカローシス, 高度な低O2血症と高CO2血症がみられたが, 輸血療法のみで改善し, 血糖値にも異常がなかった. その後も意識消失発作は続き, 原因不明の全身強直性痙攣もみられたため, 最終的に転換性障害による意識消失発作が疑われた. 神経性食思不振症の意識消失の鑑別として代謝性アルカローシス, 高度な低O2血症と高CO2血症がみられても, その原因にはならない場合があり, 治療も含めて注意が必要である. |
---|---|
ISSN: | 0385-0307 |