集団主張訓練が奏効した思春期の身体化障害の1例

症例は中学3年生(14歳), 女子. 1996年秋(中学1年)より全身倦怠感, 筋力低下感などを訴えるようになった. 近医で精査の結果, 甲状腺機能亢進を認めメルカゾールなどによる治療が開始された. 甲状腺機能は正常化したが, 全身倦怠感などの訴えは持続していた. 1998年3月頃より抜毛と過呼吸発作も出現するようになって近医入院となった. 多彩な訴えは持続し, 頻回の過呼吸発作, 貧血, 上室性期外収縮, 洞性頻脈, 起立性調節障害なども認められたため, 精査目的にて当科紹介転院となった. 入院当初から過呼吸発作が頻発し, せん妄を生ずるなど心身の不安定な状態が観察された. このため, 入院...

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Hauptverfasser: 荒武真司, 和田昭宏, 野村裕一, 樋渡三保子, 宮田晃一郎, 成尾鉄朗, 野添新一
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は中学3年生(14歳), 女子. 1996年秋(中学1年)より全身倦怠感, 筋力低下感などを訴えるようになった. 近医で精査の結果, 甲状腺機能亢進を認めメルカゾールなどによる治療が開始された. 甲状腺機能は正常化したが, 全身倦怠感などの訴えは持続していた. 1998年3月頃より抜毛と過呼吸発作も出現するようになって近医入院となった. 多彩な訴えは持続し, 頻回の過呼吸発作, 貧血, 上室性期外収縮, 洞性頻脈, 起立性調節障害なども認められたため, 精査目的にて当科紹介転院となった. 入院当初から過呼吸発作が頻発し, せん妄を生ずるなど心身の不安定な状態が観察された. このため, 入院20日後より週2回の集団主張訓練とカウンセリングを受けることを勧めた. 当初は内向的で防衛が強かったが, 次第に自己主張が上達し, 訓練開始後1ヵ月で本症例の原因の一つである両親, 特に母親に対し抑圧してきた感情を言語化できるようになった. それに伴い過呼吸発作も減少し, 復学を遂げることができたので報告した.
ISSN:0385-0307