末期癌患者のセルフ・エフィカシー尺度開発の試み

本研究の目的は, 末期癌患者の病気行動に対するセルフ・エフィカシーを測定する尺度の開発である.尺度項目を作成し, 心理的適応の尺度とともに, ホスピス外来通院中, ホスピス入院中の末期癌患者50名を対象に構造化面接を行つた.因子分析の結果, セルフ・エフィカシー尺度は, 3つの下位尺度により構成され, それぞれ最も適合する6項目を選択した.この下位尺度と抑うつ不安の関係についてパス解析で検討したところ, 下位尺度のうち, 「情動統制の効力感」が中心的な役割をもつことが明らかにされた.そして, 本研究の結果が, 末期癌患者のQOL向上のための介入方法の方向性について示唆する点について検討した....

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Veröffentlicht in:心身医学 2001/01/01, Vol.41(1), pp.19-27
Hauptverfasser: 平井, 啓, 鈴木, 要子, 恒藤, 暁, 池永, 昌之, 茅根, 義和, 川辺, 圭一, 柏木, 哲夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究の目的は, 末期癌患者の病気行動に対するセルフ・エフィカシーを測定する尺度の開発である.尺度項目を作成し, 心理的適応の尺度とともに, ホスピス外来通院中, ホスピス入院中の末期癌患者50名を対象に構造化面接を行つた.因子分析の結果, セルフ・エフィカシー尺度は, 3つの下位尺度により構成され, それぞれ最も適合する6項目を選択した.この下位尺度と抑うつ不安の関係についてパス解析で検討したところ, 下位尺度のうち, 「情動統制の効力感」が中心的な役割をもつことが明らかにされた.そして, 本研究の結果が, 末期癌患者のQOL向上のための介入方法の方向性について示唆する点について検討した.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.41.1_19