神経鞘腫合併により症状の増悪をみたIBSの1症例

主訴:右鼠径部痛, 下痢 病歴:16年前より腹痛下痢が持続. IBSの診断を受けている. 6年前, 転勤を機に右鼠径部痛を自覚するようになる. 症状は徐々に悪化し, 睡眠, 仕事にも差し支えるようになったため当科受診となる. 経過:初診診察時, 疼痛自覚部位の右下腹部に弾性硬の腫瘤を触知. 同部に圧痛を認めた. 腫瘤診断のため腹部CTおよび注腸造影を実施したところ, CT上, 辺縁スムーズで均一, 直径6cm大の腫瘤が確認された. 直ちに外科にて摘出手術を受けたところ, シュワン細胞腫と診断された. 術後, 右鼠径部痛は消失し, 日常生活に支障なく勤務が可能となった. 考察:本症例ではIBSと...

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Hauptverfasser: 北村香奈, 福永幹彦, 中井吉英, 加藤泰規, 日置紘士郎
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:主訴:右鼠径部痛, 下痢 病歴:16年前より腹痛下痢が持続. IBSの診断を受けている. 6年前, 転勤を機に右鼠径部痛を自覚するようになる. 症状は徐々に悪化し, 睡眠, 仕事にも差し支えるようになったため当科受診となる. 経過:初診診察時, 疼痛自覚部位の右下腹部に弾性硬の腫瘤を触知. 同部に圧痛を認めた. 腫瘤診断のため腹部CTおよび注腸造影を実施したところ, CT上, 辺縁スムーズで均一, 直径6cm大の腫瘤が確認された. 直ちに外科にて摘出手術を受けたところ, シュワン細胞腫と診断された. 術後, 右鼠径部痛は消失し, 日常生活に支障なく勤務が可能となった. 考察:本症例ではIBSという機能性の疾患に, 腫瘤による圧迫が関与し, 症状が修飾されたと考えられた. 医療者, 患者ともに機能性の病態に注意を奪われていたことが, 診断が遅延した原因と考えられた.
ISSN:0385-0307