15.性同一性障害を背景に発症した神経性食欲不振症の1女性例(第85回日本心身医学会東北地方会 演題抄録)
性同一性障害を背景に発症した神経性食欲不振症の1女性例を報告した. 症例は18歳女子. 幼少時から男になりたいと強く願った. 男性の「彼氏」と女として交際し始めた中学3年頃より食事が摂れなくなり, 高校1年時に月経が停止, 体重が26kgまで低下し, 当科に紹介受診し, 入院となった. 本症例は, 幼児期から男になりたいと強く願い, DSM-IVやICD-10の性同一性障害の基準に合致していた. 本症例は従来の神経性食欲不振症と異なり, 「女性」への目覚めによる性同一性の混乱と葛藤に引き続き, 拒食が引き起こされていた. 本症例では性同一性の混乱と葛藤への仮の解決策として, 第二次性徴が発現し...
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Veröffentlicht in: | 心身医学 2000/08/01, Vol.40(6), pp.498 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 性同一性障害を背景に発症した神経性食欲不振症の1女性例を報告した. 症例は18歳女子. 幼少時から男になりたいと強く願った. 男性の「彼氏」と女として交際し始めた中学3年頃より食事が摂れなくなり, 高校1年時に月経が停止, 体重が26kgまで低下し, 当科に紹介受診し, 入院となった. 本症例は, 幼児期から男になりたいと強く願い, DSM-IVやICD-10の性同一性障害の基準に合致していた. 本症例は従来の神経性食欲不振症と異なり, 「女性」への目覚めによる性同一性の混乱と葛藤に引き続き, 拒食が引き起こされていた. 本症例では性同一性の混乱と葛藤への仮の解決策として, 第二次性徴が発現しない程度のやせを望んでいるため, 性同一性障害の存在に配慮した治療的アプローチが必要と考えられた. |
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ISSN: | 0385-0307 2189-5996 |
DOI: | 10.15064/jjpm.40.6_498_3 |