12.亜鉛欠乏によると思われる皮膚粘膜症状を呈した長期摂食障害患者の1例(第85回日本心身医学会東北地方会 演題抄録)

症例は29歳女性. 12年来の長期摂食障害患者で慢性的な低栄養状態が持続していた. 1998年10月より, 全身性の皮疹, 舌炎, 口角炎などの皮膚粘膜症状, 軽度の味覚低下が出現し, 著明な電解質異常も認めたため当科入院となった. 血清亜鉛値は29μg/dlと著明な低値を示した. 亜鉛を経静脈的に投与し, 血清亜鉛値の上昇とともに皮膚粘膜症状は改善したため亜鉛欠乏が主な原因と考えられた. 約半数の摂食障害患者で亜鉛欠乏を認めるといわれるが, 本症例では重症の低栄養のために皮膚粘膜症状まで発現したと思われた. 亜鉛欠乏による症状には摂食障害の症状との類似がみられる. そのため摂食障害の症状を修...

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Veröffentlicht in:心身医学 2000/08/01, Vol.40(6), pp.497
Hauptverfasser: 土屋, 洋子, 天野, 雄一, 佐藤, 朝子, 羽仁, 真奈美, 平, 陽一, 芝山, 幸久, 坪井, 康次, 中野, 弘一, 筒井, 末春, 竹内, 吉男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:症例は29歳女性. 12年来の長期摂食障害患者で慢性的な低栄養状態が持続していた. 1998年10月より, 全身性の皮疹, 舌炎, 口角炎などの皮膚粘膜症状, 軽度の味覚低下が出現し, 著明な電解質異常も認めたため当科入院となった. 血清亜鉛値は29μg/dlと著明な低値を示した. 亜鉛を経静脈的に投与し, 血清亜鉛値の上昇とともに皮膚粘膜症状は改善したため亜鉛欠乏が主な原因と考えられた. 約半数の摂食障害患者で亜鉛欠乏を認めるといわれるが, 本症例では重症の低栄養のために皮膚粘膜症状まで発現したと思われた. 亜鉛欠乏による症状には摂食障害の症状との類似がみられる. そのため摂食障害の症状を修飾し, あるいは増悪因子となる可能性も示唆された.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.40.6_497_4