8.上腸間膜動脈症候群の診断が治療の転機となった摂食障害の1例(一般演題)(第27回 日本心身医学会近畿地方会 演題抄録)

症例は26歳, 女性. 22歳で就職してから2年間で, 80kgから50kgに体重減少していた. 25歳時, 交通事故で頭部強打後嘔吐が持続した. 以後, 嘔吐恐怖より食事量減少し, 体重減少したため当科受診となった. SMA症候群の精査と体重増加目的に入院となり, 胃十二指腸透視を行ったところ, SMA症候群の所見が得られた. そこで患者にSMA症候群という診断名を伝え, それに対する治療を施行したところ, 症状は改善し体重も増加し始めた. 摂食障害患者では極端な体重減少のためにSMA症候群を合併し, 相互作用から悪循環に陥っていることも多い. 本症例では摂食障害という病態を取り扱わずに,...

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Veröffentlicht in:心身医学 2000/06/01, Vol.40(5), pp.392
Hauptverfasser: 北村, 香奈, 福永, 幹彦, 大塚, 泰則, 中井, 吉英
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は26歳, 女性. 22歳で就職してから2年間で, 80kgから50kgに体重減少していた. 25歳時, 交通事故で頭部強打後嘔吐が持続した. 以後, 嘔吐恐怖より食事量減少し, 体重減少したため当科受診となった. SMA症候群の精査と体重増加目的に入院となり, 胃十二指腸透視を行ったところ, SMA症候群の所見が得られた. そこで患者にSMA症候群という診断名を伝え, それに対する治療を施行したところ, 症状は改善し体重も増加し始めた. 摂食障害患者では極端な体重減少のためにSMA症候群を合併し, 相互作用から悪循環に陥っていることも多い. 本症例では摂食障害という病態を取り扱わずに, SMA症候群という二次的な身体疾患に焦点を当てて入院治療をすすめた. それにより患者や患者を取り巻く環境の摂食障害に対するとらわれが軽減し, 症状改善をもたらしたと考えられた.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.40.5_392_2