12.DIC様血液凝固障害を合併した神経性食思不振症の1女児例(一般演題)(第26回 日本心身医学会近畿地方会 演題抄録)

症例は11歳女児. 主訴は体重減少. 9ヵ月前頃から食思不振が出現し, 2ヵ月前には体重が以前より30%減少した. 他院にて加療されていたが改善せず, 当科受診し入院した. 入院時身長145cm, 体重25.6kg. 末梢血液および生化学に異常なし. 身体管理を回避していたが改善せず, 入院6日には肝, 腎機能障害が出現したため末梢より輸液を開始. 11日にはさらに肝機能障害の増悪および出血傾向も認めたため, 高カロリー輸液を開始しFFP輸血も施行したが, 16日GOT 3, 400 IU/リットル, GPT 1, 435 IU/リットル, 血小板32, 000/μlとなり, DICもしくはそ...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心身医学 2000/03/01, Vol.40(3), pp.258
Hauptverfasser: 櫻井, 嘉彦, 神末, 政樹, 嶋, 緑倫, 吉岡, 章
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は11歳女児. 主訴は体重減少. 9ヵ月前頃から食思不振が出現し, 2ヵ月前には体重が以前より30%減少した. 他院にて加療されていたが改善せず, 当科受診し入院した. 入院時身長145cm, 体重25.6kg. 末梢血液および生化学に異常なし. 身体管理を回避していたが改善せず, 入院6日には肝, 腎機能障害が出現したため末梢より輸液を開始. 11日にはさらに肝機能障害の増悪および出血傾向も認めたため, 高カロリー輸液を開始しFFP輸血も施行したが, 16日GOT 3, 400 IU/リットル, GPT 1, 435 IU/リットル, 血小板32, 000/μlとなり, DICもしくはその前状態と考え, メシル酸ガベキサート, ATIIIおよび肝庇護剤を開始した. さらに貧血のため洗浄赤血球輸血も施行し, その結果入院1ヵ月には止血凝固機能は正常に復した. 極端な低栄養状態に至った神経性食思不振症患者では, 病状が急激に進行するため, 治療はDICをも念頭に置いた積極的な身体管理が必要と思われる.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.40.3_258_1