2.母親への心理的介入により軽快した不登校の1症例(一般演題)(第26回 日本心身医学会近畿地方会 演題抄録)

不登校やそれに伴う身体症状の治療においては, 母子関係が重要な意味をもつ. 今回われわれは, 母親への心理的介入により患者の症状が軽快した症例を経験したので報告した. 症例は10歳女性で, 主訴は不登校, 対人恐怖, 腹痛, 頻尿, 過食, 肥満傾向. 心理士によるカウンセリングが行われる中で, 母親の方が精神的な危機状況に陥っていることがうかがわれた. 母親は, 学校から努力不足を責められていると感じ, 不安定になっていたため, 心理士からは「学校の登校刺激から子どもを守っている. 不登校への対応をよく理解し, 努力している」とポジティブな意味づけをしたうえで, 学校との間の直接的な介入を行...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心身医学 2000/03/01, Vol.40(3), pp.255
Hauptverfasser: 堺, 恵利, 宮田, たみ恵, 黒丸, 尊治, 中井, 吉英
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:不登校やそれに伴う身体症状の治療においては, 母子関係が重要な意味をもつ. 今回われわれは, 母親への心理的介入により患者の症状が軽快した症例を経験したので報告した. 症例は10歳女性で, 主訴は不登校, 対人恐怖, 腹痛, 頻尿, 過食, 肥満傾向. 心理士によるカウンセリングが行われる中で, 母親の方が精神的な危機状況に陥っていることがうかがわれた. 母親は, 学校から努力不足を責められていると感じ, 不安定になっていたため, 心理士からは「学校の登校刺激から子どもを守っている. 不登校への対応をよく理解し, 努力している」とポジティブな意味づけをしたうえで, 学校との間の直接的な介入を行った. その結果, 母親の安定は取り戻されていき, 患者の身体症状も軽快し, 登校を試みるなど対人恐怖の改善もみられたため, 当科での治療は終結した.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.40.3_255_2