6.社会恐怖を伴った神経性食欲不振症の1男性例(第84回日本心身医学会関東地方会演題抄録)

今回われわれは, 視線恐怖を中心とした対人恐怖という社会恐怖および不登校を伴った, 16歳, 高校1年生の神経性食欲不振症の1男子症例を報告した. 本症例は新潟大学滝沢らが報告した男子摂食障害の文献的臨床像と比較し, 病前, 病中を通して過活動がなく, 社会恐怖を伴った引きこもりを示し, 入院時の問題行動が少なく, 比較的軽症の経過をたどった. 症例は母子密着が強く精神的に未熟であって, 体重を減らすことで自信を回復し, 社会適応を図ろうとして, かえって社会不適応を悪化させたと考えられた. そこで精神的自立と成熟を促しながら, 社会恐怖と摂食障害の双方に働きかける治療的アプローチが有効であっ...

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Veröffentlicht in:心身医学 2000/02/01, Vol.40(2), pp.176
Hauptverfasser: 天保, 英明, 江花, 昭一, 山本, 晴義, 津久井, 要, 川原, 健資, 境, 洋二郎, 秋庭, 篤代
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:今回われわれは, 視線恐怖を中心とした対人恐怖という社会恐怖および不登校を伴った, 16歳, 高校1年生の神経性食欲不振症の1男子症例を報告した. 本症例は新潟大学滝沢らが報告した男子摂食障害の文献的臨床像と比較し, 病前, 病中を通して過活動がなく, 社会恐怖を伴った引きこもりを示し, 入院時の問題行動が少なく, 比較的軽症の経過をたどった. 症例は母子密着が強く精神的に未熟であって, 体重を減らすことで自信を回復し, 社会適応を図ろうとして, かえって社会不適応を悪化させたと考えられた. そこで精神的自立と成熟を促しながら, 社会恐怖と摂食障害の双方に働きかける治療的アプローチが有効であった.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.40.2_176_2