2.不明熱を疑われた虚偽性障害の1例(一般演題)(第83回日本心身医学会関東地方会演題抄録)

症例:40歳台男性, 既往歴:10歳時に虫垂切除術 家族歴:両親が高血圧 現病歴:X年1月より右下腹部痛のため, 某院を受診し, 腸管癒着を疑われ開腹術を受け, 腹痛は消失した. 5月より, 40度を超える発熱が続くと訴え再受診. 不明熱を疑われ, 入院精査されたが, 身体的原因は否定的であった. しかし, その後も同様の発熱が続いたため, 翌年2月当科に紹介入院となった. 入院後経過:身体所見, 検査所見に異常はなく, 監視下検温を行ったところ発熱はみられなかった. 発熱は捏造で, 明らかな外的動機はなく, 虚偽性障害と診断した. 考察:自己愛の強さに比べ, 実際の適応能力は低く, 発熱での...

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Veröffentlicht in:心身医学 1999/10/01, Vol.39(7), pp.566
Hauptverfasser: 境, 洋二郎, 川原, 健資, 山本, 晴義, 江花, 昭一, 津久井, 要, 天保, 英明, 佐々木, 篤代, 久保木, 富房
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例:40歳台男性, 既往歴:10歳時に虫垂切除術 家族歴:両親が高血圧 現病歴:X年1月より右下腹部痛のため, 某院を受診し, 腸管癒着を疑われ開腹術を受け, 腹痛は消失した. 5月より, 40度を超える発熱が続くと訴え再受診. 不明熱を疑われ, 入院精査されたが, 身体的原因は否定的であった. しかし, その後も同様の発熱が続いたため, 翌年2月当科に紹介入院となった. 入院後経過:身体所見, 検査所見に異常はなく, 監視下検温を行ったところ発熱はみられなかった. 発熱は捏造で, 明らかな外的動機はなく, 虚偽性障害と診断した. 考察:自己愛の強さに比べ, 実際の適応能力は低く, 発熱での欠勤は, 自己愛の傷つきを回避する意味をもつと考えられた. 支持的に接したことが, 自己愛の傷つきを修復させ, 症状軽快をもたらしたものと考えられた.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.39.7_566_3