9.夫の不実に関する病的回顧に悩む老夫婦例(第42回日本心身医学会中部地方会 演題抄録)
夫1923年生まれ, 妻1931年生まれ. 3男1女はそれぞれ独立し夫婦2人だけの年金生活である. ずっと威張ってきた夫が, 病弱となり妻の介護を必要とするようになった. 1997年末に夫が昔の浮気をあっさり認めたのがきっかけで, 妻は夫の不実や辱めを与えたことを責め立て, 時に暴力を振るったり, 自ら家を出て健忘を残すということが頻回になった. 妻には両親の離婚と養家先での虐待という不幸な生い立ちのために, 夫の身勝手に堪え, 尽くしてきたという. 老齢に入り自制力の低下, 力関係の逆転に伴って, 怒り, 無念の思いが堰を切ったように流れ出したようであり, これを病的回顧と名づけた. 妻は人...
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Veröffentlicht in: | 心身医学 1999/10/01, Vol.39(7), pp.561 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 夫1923年生まれ, 妻1931年生まれ. 3男1女はそれぞれ独立し夫婦2人だけの年金生活である. ずっと威張ってきた夫が, 病弱となり妻の介護を必要とするようになった. 1997年末に夫が昔の浮気をあっさり認めたのがきっかけで, 妻は夫の不実や辱めを与えたことを責め立て, 時に暴力を振るったり, 自ら家を出て健忘を残すということが頻回になった. 妻には両親の離婚と養家先での虐待という不幸な生い立ちのために, 夫の身勝手に堪え, 尽くしてきたという. 老齢に入り自制力の低下, 力関係の逆転に伴って, 怒り, 無念の思いが堰を切ったように流れ出したようであり, これを病的回顧と名づけた. 妻は人生の統合を図っているようにもみえるが, 夫は身体的にも弱ってきており抑うつ状態である. |
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ISSN: | 0385-0307 2189-5996 |
DOI: | 10.15064/jjpm.39.7_561_3 |