11. 痛反応時間測定時の内在痛の変化について

慢性疼痛の客観的評価のために, 輻射熱刺激装置および接触加熱システムによる痛反応時間(PRT)測定検査を行ってきた. ところが, 慢性疼痛患者ではPRT測定の前後で内在痛の訴えが変化する現象がみられるため, 内在痛の変化とその要因について検討を行った. 対象は東北労災病院受診の慢性痔痛患者58例(男性30例, 女性28例)である. あらかじめ, 痛みの程度について101法, SF-MPQなどで尋ねた後, PRT測定を行い, 検査終了後にも同様に痛みの程度を尋ねた. その結果, PRT測定の前後で101法でみた痛みの訴えが軽減した者24例(41.4%), 不変の者27例(46.6%), 悪化した...

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Veröffentlicht in:心身医学 1999/08/01, Vol.39(6), pp.484
Hauptverfasser: 青山, 宏, 山口, 真人, 富家, 直明, 熊野, 宏昭, 山内, 祐一, 田口, 文人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:慢性疼痛の客観的評価のために, 輻射熱刺激装置および接触加熱システムによる痛反応時間(PRT)測定検査を行ってきた. ところが, 慢性疼痛患者ではPRT測定の前後で内在痛の訴えが変化する現象がみられるため, 内在痛の変化とその要因について検討を行った. 対象は東北労災病院受診の慢性痔痛患者58例(男性30例, 女性28例)である. あらかじめ, 痛みの程度について101法, SF-MPQなどで尋ねた後, PRT測定を行い, 検査終了後にも同様に痛みの程度を尋ねた. その結果, PRT測定の前後で101法でみた痛みの訴えが軽減した者24例(41.4%), 不変の者27例(46.6%), 悪化した者7例(12.1%)であった. 痛みの軽減群と悪化群を比較したところ, 検査前の内在痛の訴えの強い者ほど痛みが軽減するなどの特徴が示された. 同時に, PRT測定がなんらかの治療的側面をもつ可能性も示唆された.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.39.6_484_1