15. 急性特発性汎自律神経失調症の1小児例 : 心身相関を中心に(第45回 日本心身医学会東北地方会 演題抄録)

急性特発性汎自律神経失調症とは, 明らかな原因がなく, 急性に全身の自律神経障害を発生するもので, 予後が良好なものについてつけられた病名である. 自律神経の節後線維の障害と考えられているが, 脳波異常や精神症状を認めるものも少なくなく, 中枢性病変の関与も示唆されている. 今回われわれは, 本症と診断された小児例を経験し, その精神症状の発現について心身医学的側面から考察したので報告した. 症例は初診時10歳の女子で, 発汗消失, 対光反射の消失, 排尿, 排便障害, 嘔気, 嘔吐などの自律神経症状に加え, 不安, 興奮などの精神症状のために精神科を紹介され, 小児科より転科入院した. 母親...

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Veröffentlicht in:心身医学 1999/08/01, Vol.39(6), pp.478
Hauptverfasser: 灘岡, 壽英, 中谷, 真理子, 森岡, 由紀子, 村田, 亜美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:急性特発性汎自律神経失調症とは, 明らかな原因がなく, 急性に全身の自律神経障害を発生するもので, 予後が良好なものについてつけられた病名である. 自律神経の節後線維の障害と考えられているが, 脳波異常や精神症状を認めるものも少なくなく, 中枢性病変の関与も示唆されている. 今回われわれは, 本症と診断された小児例を経験し, その精神症状の発現について心身医学的側面から考察したので報告した. 症例は初診時10歳の女子で, 発汗消失, 対光反射の消失, 排尿, 排便障害, 嘔気, 嘔吐などの自律神経症状に加え, 不安, 興奮などの精神症状のために精神科を紹介され, 小児科より転科入院した. 母親に対して依存と反抗という両価的態度がみられ, もともと存在していた葛藤が, 中枢病変により露呈しやすくなったものと考えられた.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.39.6_478_2