消化性潰瘍の発症・再発因子の心身医学的研究 : 多変量解析を用いての検討

消化性潰瘍の発症・再発にはいかなる因子が最も重要か, 多変量解析を用いて検討した.対象は潰瘍群54例(初発12・再発42), 非再発群17例, 非潰瘍群23例である.Helicobacter pylori (H. pylori)の存在が近年注目されているが, 今回の結果では潰瘍群と非潰瘍群, 再発群と非再発群で抗H. pylori抗体陽性率の有意差はなかった.心理的因子である「潰瘍性格」の特徴も明らかではなかった.潰瘍の発症については喫煙で有意差が得られ, 再発においては食事の不規則性が大きな要因だった.さらに多変量解析の結果, H. pyloriよりも喫煙やストレス対処力, 食事の不規則性な...

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Veröffentlicht in:心身医学 1999/08/01, Vol.39(6), pp.421-428
Hauptverfasser: 村上, 典子, 中井, 吉英, 福永, 幹彦, 有田, 清三郎, 小味渕, 智雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:消化性潰瘍の発症・再発にはいかなる因子が最も重要か, 多変量解析を用いて検討した.対象は潰瘍群54例(初発12・再発42), 非再発群17例, 非潰瘍群23例である.Helicobacter pylori (H. pylori)の存在が近年注目されているが, 今回の結果では潰瘍群と非潰瘍群, 再発群と非再発群で抗H. pylori抗体陽性率の有意差はなかった.心理的因子である「潰瘍性格」の特徴も明らかではなかった.潰瘍の発症については喫煙で有意差が得られ, 再発においては食事の不規則性が大きな要因だった.さらに多変量解析の結果, H. pyloriよりも喫煙やストレス対処力, 食事の不規則性などの行動科学的因子の方がより重要な役割を果していることが示唆された.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.39.6_421