母子関係で興味ある経過を示した慢性両側性外腸骨静脈狭窄症と肥満症の合併例

慢性両側性外腸骨静脈狭窄症に単純性肥満を合併した患者と, 摂食行動障害などの問題を有した娘との母子関係が, 相互の病態に影響し症状に興味ある経過を示した症例を経験した.症例は44歳の女性, 33歳頃から下肢の浮腫と疼痛が出現した.診断・治療目的の入退院を繰り返し, 患者は家に不在がちになった.娘は本来あるべき依存対象を失っていた.狭窄症の外科的適応はすでになく, 保存的治療が選択され, 外来での運動療法を中心とした心身医学的リハビリテーションが施行された.不在がちであった患者の在宅療養が可能となり, 中学生となった娘の依存はすべて患者に向けられた.その全面的依存が, 外来でのリハビリテーション...

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Veröffentlicht in:心身医学 1998/06/01, Vol.38(5), pp.353-357
Hauptverfasser: 国生, 成司, 渡邉, 克己, 秋元, 隆志, 土屋, 健, 山田, 通夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:慢性両側性外腸骨静脈狭窄症に単純性肥満を合併した患者と, 摂食行動障害などの問題を有した娘との母子関係が, 相互の病態に影響し症状に興味ある経過を示した症例を経験した.症例は44歳の女性, 33歳頃から下肢の浮腫と疼痛が出現した.診断・治療目的の入退院を繰り返し, 患者は家に不在がちになった.娘は本来あるべき依存対象を失っていた.狭窄症の外科的適応はすでになく, 保存的治療が選択され, 外来での運動療法を中心とした心身医学的リハビリテーションが施行された.不在がちであった患者の在宅療養が可能となり, 中学生となった娘の依存はすべて患者に向けられた.その全面的依存が, 外来でのリハビリテーションや自宅での食事療法に影響を与えた.双方の興味ある経過を中心に報告する.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.38.5_353