有用微生物利用農業(EM農法)の生命倫理・世界観とその多目的利用

利用という立場から微生物を考えると, 各々の使用分野において有用か有害かというきわめて単純な分け方ができる. 演者の微生物の研究は, 土壌病害対策や園芸作物の品質改善に端を発し, 現場先行型の試行錯誤から始まったが, 結論的には, 土壌の微生物相に行き着いた. 便宜上, 蘇生型と崩壊型, ノンポリ型に分けて, その作用のメカニズムの解明に当たっているが, 蘇生型に属する微生物は抗酸化物質(蛋白を含む)を生成するのに対し, 崩壊型の微生物は強烈な酸化物質を生成することが明らかになってきた. 自然界の存在物は, すべて酸化し消滅する性質をもっている. 抗酸化物質は, それに対抗する作用をもつもので...

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Veröffentlicht in:心身医学 1997, Vol.37 (7), p.540-540
1. Verfasser: 比嘉照夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:利用という立場から微生物を考えると, 各々の使用分野において有用か有害かというきわめて単純な分け方ができる. 演者の微生物の研究は, 土壌病害対策や園芸作物の品質改善に端を発し, 現場先行型の試行錯誤から始まったが, 結論的には, 土壌の微生物相に行き着いた. 便宜上, 蘇生型と崩壊型, ノンポリ型に分けて, その作用のメカニズムの解明に当たっているが, 蘇生型に属する微生物は抗酸化物質(蛋白を含む)を生成するのに対し, 崩壊型の微生物は強烈な酸化物質を生成することが明らかになってきた. 自然界の存在物は, すべて酸化し消滅する性質をもっている. 抗酸化物質は, それに対抗する作用をもつものであり, 広い意味では生体内のSOD活性酵素もその一部である. 有用微生物(effective microorganism;EM)と称される一連の微生物から抽出した抗酸化物質は, 金属, 木材, 各種骨材の材料劣化防止はもとより, 生物体に対しても著しい蘇生作用を有することが明らかとなってきた. それらの物質は耐熱性に優れ, 1,000℃以上においてもその作用は失活せず, 強いフリーラジカル抑制作用をもっている. 本物質は波動とリンクした多様な微量物質の混合体であるが, 免疫力を著しく高めるため, 最近では各種の難病対策に治験的に試用されるようにもなってきた. 有用微生物(EM)を用いた農法は, 植物の成長を助け, 実り多い収穫をもたらす. 自然界における抗酸化機能を増強し, 土壌を蘇らせ, 空気を清浄化し, 科学的にはいまだ証明されてはいないが, 「気」の活性やsubtle energyと関与するように思われる. EM農法を用いた環境にいると自分が健康になっていくと感じる人が多い. 「気」を清浄化し, 心身の調整に働くのではないだろうか. 有用微生物の多目的利用についての話題提供を行った.
ISSN:0385-0307