成人型アトピー性皮膚炎の心身医学的研究(第1報) : 特に重症度・経過からみた心理学的特徴の検討

成人型アトピー性皮膚炎(AD)患者48例の心理学的指標がその重症度・経過別, および気管支喘息・アレルギー性鼻炎合併の有無で違いがあるかどうかを検討した。まず, 対象全体における心理指標の解析の結果, 成人型AD患者は不安が高く, 抑うつ的で神経症的, 過剰適応的傾向が認められた。次に重症度別に比較した結果, 軽症よりも重症患者で現実検討が障害されていると考えられた。さらに経過別に比較した結果, 寛解増悪型が幼児発症型や成人発症型に比べ有意に心身両面で多愁訴であると考えられた。また, アレルギー性鼻炎合併群のほうが身体症状および精神症状は強いと考えられた。以上より成人型ADの治療や研究のうえで...

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Veröffentlicht in:心身医学 1997/06/01, Vol.37(5), pp.337-346
Hauptverfasser: 川原, 健資, 山本, 晴義, 江花, 昭一, 津久井, 要, 佐々木, 篤代, 加藤, 一郎, 向井, 秀樹, 熊野, 宏昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:成人型アトピー性皮膚炎(AD)患者48例の心理学的指標がその重症度・経過別, および気管支喘息・アレルギー性鼻炎合併の有無で違いがあるかどうかを検討した。まず, 対象全体における心理指標の解析の結果, 成人型AD患者は不安が高く, 抑うつ的で神経症的, 過剰適応的傾向が認められた。次に重症度別に比較した結果, 軽症よりも重症患者で現実検討が障害されていると考えられた。さらに経過別に比較した結果, 寛解増悪型が幼児発症型や成人発症型に比べ有意に心身両面で多愁訴であると考えられた。また, アレルギー性鼻炎合併群のほうが身体症状および精神症状は強いと考えられた。以上より成人型ADの治療や研究のうえで, 個々の重症度・経過およびアレルギー性鼻炎合併の有無に配慮することは重要であると考えられた。
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.37.5_337