分娩中に右尾状核出血を発症した1例
症例は36歳,初産。糖尿病や高血圧などの併存疾患は認めなかった。妊娠35週3日で完全破水し,その後陣痛発来した。分娩中のバイタルサインは正常範囲内であるも分娩第2期に嘔吐を繰り返し怒責困難であったため,吸引分娩を施行した。バイタルサインの異常はなかったが,児娩出後の意識レベルはJCSⅠ-1,繰り返す嘔吐があったため,頭部CT検査を施行したところ,右尾状核出血・脳室穿破が認められた。頭部MRI検査では明らかな脳血管異常は認められなかったため,対症療法による経過観察とした。脳神経症状の出現はなく,産褥27日目に退院となった。妊娠・分娩中の脳出血では,脳動脈瘤・脳動静脈奇形・妊娠高血圧症候群の併存疾...
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Veröffentlicht in: | 日本農村医学会雑誌 2024, Vol.72(6), pp.544-548 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は36歳,初産。糖尿病や高血圧などの併存疾患は認めなかった。妊娠35週3日で完全破水し,その後陣痛発来した。分娩中のバイタルサインは正常範囲内であるも分娩第2期に嘔吐を繰り返し怒責困難であったため,吸引分娩を施行した。バイタルサインの異常はなかったが,児娩出後の意識レベルはJCSⅠ-1,繰り返す嘔吐があったため,頭部CT検査を施行したところ,右尾状核出血・脳室穿破が認められた。頭部MRI検査では明らかな脳血管異常は認められなかったため,対症療法による経過観察とした。脳神経症状の出現はなく,産褥27日目に退院となった。妊娠・分娩中の脳出血では,脳動脈瘤・脳動静脈奇形・妊娠高血圧症候群の併存疾患が原因であることが多いが,本症例では着目すべき併存症はなかった。リスクとなる原因疾患がなく,バイタルサインが安定していても脳出血を起こす可能性があり,分娩管理では症状にも十分注意する必要がある。 |
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ISSN: | 0468-2513 1349-7421 |
DOI: | 10.2185/jjrm.72.544 |