採血検体における強溶血が結果値に及ぼす影響

本調査は採血検体における強溶血(Hb値500mg/dLを超える溶血)が結果値に及ぼす影響について非溶血,溶血(Hb値500mg/dLを超えない溶血),強溶血に分類し調査した。項目はTP,ALB,T-Bil,D-Bil,AST,ALT,LD,ALP,γ-GT,CK,AMY,ChE,BUN,Cre,Na,K,Cl,Ca,UA,TG,T-Cho,HDL-C,LDL-C,CRPの24項目とし実臨床の検査結果を用いた。今回我々が調査した結果から溶血,強溶血の誤差の関係について3つのGroupに区分することができた。Group Aは非溶血と溶血の間に誤差を認め,強溶血ではさらに強い誤差を認めた場合(T-B...

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Veröffentlicht in:日本農村医学会雑誌 2023, Vol.72(4), pp.299-306
Hauptverfasser: 原田, 康夫, 小林, 茉穂, 伊藤, 智恵, 伊神, 実咲, 三島, 侑華, 山田, 映子, 左右田, 昌彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本調査は採血検体における強溶血(Hb値500mg/dLを超える溶血)が結果値に及ぼす影響について非溶血,溶血(Hb値500mg/dLを超えない溶血),強溶血に分類し調査した。項目はTP,ALB,T-Bil,D-Bil,AST,ALT,LD,ALP,γ-GT,CK,AMY,ChE,BUN,Cre,Na,K,Cl,Ca,UA,TG,T-Cho,HDL-C,LDL-C,CRPの24項目とし実臨床の検査結果を用いた。今回我々が調査した結果から溶血,強溶血の誤差の関係について3つのGroupに区分することができた。Group Aは非溶血と溶血の間に誤差を認め,強溶血ではさらに強い誤差を認めた場合(T-Bil,AST,LD,Na,K,Ca,UA)。Group Bは非溶血と溶血の間に誤差を認めず,強溶血にて誤差を認めた場合(ALB,D-Bil,ALT,γ-GT,CK,AMY,TG,T-Cho,HDL-C,LDL-C)。Group Cは溶血,強溶血ともに誤差を認めなかった場合(TP,ALP,ChE,BUN,Cre,Cl,CRP)。その中でGroup Bについては新たな知見であった。溶血検体の測定が避けられない状況ではその影響を臨床検査技師が認識し,実臨床に生かせる形で提供することが重要である。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.72.299