S-1+Irinotecan+Bevacizumab併用療法中に可逆性後頭葉白質脳症を発症した進行再発直腸癌の1例
症例は75歳男性。進行直腸癌に対して,化学療法後にconversion手術として直腸切断術とリンパ節郭清術を施行した。しかし,側方リンパ節転移部が内腸骨血管系に浸潤しており,切除不能と判断し術後も化学療法を継続した。腫瘍マーカーの上昇や肺転移の出現もあり,3次治療となるS-1+Irinotecan+Bevacizumab併用療法に移行したが,その3コース目day22に腹痛,嘔吐が出現し,当院へ救急搬送された。造影CT検査で癒着性腸閉塞の診断で,化学療法を中止し,保存的加療の方針で入院とした。入院後に不穏行動がみられ,第3病日に複視症状も出現したため頭部MRI検査を施行したところ,後頭葉を中心に...
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Veröffentlicht in: | 日本農村医学会雑誌 2023, Vol.72(1), pp.30-36 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は75歳男性。進行直腸癌に対して,化学療法後にconversion手術として直腸切断術とリンパ節郭清術を施行した。しかし,側方リンパ節転移部が内腸骨血管系に浸潤しており,切除不能と判断し術後も化学療法を継続した。腫瘍マーカーの上昇や肺転移の出現もあり,3次治療となるS-1+Irinotecan+Bevacizumab併用療法に移行したが,その3コース目day22に腹痛,嘔吐が出現し,当院へ救急搬送された。造影CT検査で癒着性腸閉塞の診断で,化学療法を中止し,保存的加療の方針で入院とした。入院後に不穏行動がみられ,第3病日に複視症状も出現したため頭部MRI検査を施行したところ,後頭葉を中心にT2 FLAIR像で高信号部を認めた。対症療法にて神経症状,画像所見の改善を認めたため,可逆性後頭葉白質脳症と診断した。 本疾患は化学療法,子癇,敗血症,腎障害や自己免疫性疾患などに関連して発症するとされるが,まれな疾患であり,文献的考察を加え報告する。 |
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ISSN: | 0468-2513 1349-7421 |
DOI: | 10.2185/jjrm.72.30 |