特発性脾破裂に対して脾臓摘出術を施行した1例

脾破裂は外傷性と非外傷性に分けられ,非外傷性脾破裂の原因として血液疾患や悪性腫瘍,感染症などが挙げられ,極めて稀である。症例は80歳男性。左上腹部痛を訴え,近医から精査加療目的に当院に紹介となった。当院到着時,バイタルサインは安定していたが造影CTで脾被膜の連続性途絶,脾周囲,骨盤底には血腫を疑わせる液体貯留を認めた。外傷歴はなく,非外傷性脾破裂の診断で,緊急開腹脾臓摘出術を施行した。術後経過は良好で術後11日目に退院した。本症例では既往に血液疾患などは認めず,またウイルス感染を疑う臨床所見などは認めなかった。病理診断でも悪性腫瘍は否定的であり,特発性脾破裂の診断となった。特発性脾破裂に対して...

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Veröffentlicht in:日本農村医学会雑誌 2023, Vol.71(5), pp.412-416
Hauptverfasser: 叶多, 諒, 仲野, 宏, 金澤, 匡司
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:脾破裂は外傷性と非外傷性に分けられ,非外傷性脾破裂の原因として血液疾患や悪性腫瘍,感染症などが挙げられ,極めて稀である。症例は80歳男性。左上腹部痛を訴え,近医から精査加療目的に当院に紹介となった。当院到着時,バイタルサインは安定していたが造影CTで脾被膜の連続性途絶,脾周囲,骨盤底には血腫を疑わせる液体貯留を認めた。外傷歴はなく,非外傷性脾破裂の診断で,緊急開腹脾臓摘出術を施行した。術後経過は良好で術後11日目に退院した。本症例では既往に血液疾患などは認めず,またウイルス感染を疑う臨床所見などは認めなかった。病理診断でも悪性腫瘍は否定的であり,特発性脾破裂の診断となった。特発性脾破裂に対して脾臓摘出術を施行した1例を経験したため報告する。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.71.412