主治療直前に子宮留膿腫が穿孔し,放射線療法,化学療法後に子宮腸管瘻・腸管皮膚瘻を発症した子宮頸癌の1例
症例は68歳,子宮留膿腫を合併する子宮頸癌ⅢA期に対し,同時化学放射線療法concurrent chemoradiotherapy(以下CCRTと略す)の方針であった。初診から3週後,性器出血と下腹痛増強のため入院,入院5日目に38℃台の発熱あり,造影CTで腹腔内遊離ガス像,腹水貯留を認め,消化管穿孔或いは子宮穿孔による汎発性腹膜炎を疑い緊急手術となった。多量の膿性腹水,子宮前壁に穿孔を認めたが消化管穿孔は認めず,腹腔内洗浄ドレナージ,人工肛門造設術を施行した。敗血症性ショック,急性腎不全のため術後13日までICU管理した。腹膜炎治癒後,放射線療法を単独で施行,残存病巣に対し化学療法を追加した...
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Veröffentlicht in: | 日本農村医学会雑誌 2022, Vol.71(4), pp.348-356 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は68歳,子宮留膿腫を合併する子宮頸癌ⅢA期に対し,同時化学放射線療法concurrent chemoradiotherapy(以下CCRTと略す)の方針であった。初診から3週後,性器出血と下腹痛増強のため入院,入院5日目に38℃台の発熱あり,造影CTで腹腔内遊離ガス像,腹水貯留を認め,消化管穿孔或いは子宮穿孔による汎発性腹膜炎を疑い緊急手術となった。多量の膿性腹水,子宮前壁に穿孔を認めたが消化管穿孔は認めず,腹腔内洗浄ドレナージ,人工肛門造設術を施行した。敗血症性ショック,急性腎不全のため術後13日までICU管理した。腹膜炎治癒後,放射線療法を単独で施行,残存病巣に対し化学療法を追加したが子宮留膿腫が再発した。子宮穿孔を予防するため経膣ドレナージを施行した数日後に子宮腸管瘻,腸管皮膚瘻を併発し全身状態が悪化した。子宮留膿腫を合併する進行子宮頸癌では,子宮穿孔や放射線腸炎・皮膚炎による瘻孔形成など治癒困難な合併症が発生しうる。適切な時期に子宮ドレナージを行なうことが予後改善につながると思われた。 |
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ISSN: | 0468-2513 1349-7421 |
DOI: | 10.2185/jjrm.71.348 |