脳循環予備力が障害された無症候性の内頚動脈・中大脳動脈閉塞症を有する不安定狭心症に対し浅側頭動脈: 中大脳動脈吻合術と冠動脈バイパス術を同時に行なった1例
症例は68歳,女性。脳循環予備力が障害された無症候性右内頚動脈・右中大脳動脈閉塞症を有する不安定狭心症の患者であり,関連科で協議し,周術期の脳虚血・心筋虚血予防のために浅側頭動脈─中大脳動脈吻合術と冠動脈バイパス術を同時に行なった。術後に脳虚血,心筋虚血ともに合併なく経過は良好であった。脳循環予備力が障害された無症候性脳主幹動脈閉塞・狭窄症を有する不安定狭心症患者に対して,浅側頭動脈─中大脳動脈吻合術と冠動脈バイパス術の同時手術は慎重に検討する必要はあるものの,脳・心筋虚血ともに予防するという観点から,治療選択肢となり得る。ただし,冠動脈バイパス術中抗凝固に伴う頭蓋内出血リスクを想定し,十分対...
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Veröffentlicht in: | 日本農村医学会雑誌 2021, Vol.70(1), pp.69-75 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は68歳,女性。脳循環予備力が障害された無症候性右内頚動脈・右中大脳動脈閉塞症を有する不安定狭心症の患者であり,関連科で協議し,周術期の脳虚血・心筋虚血予防のために浅側頭動脈─中大脳動脈吻合術と冠動脈バイパス術を同時に行なった。術後に脳虚血,心筋虚血ともに合併なく経過は良好であった。脳循環予備力が障害された無症候性脳主幹動脈閉塞・狭窄症を有する不安定狭心症患者に対して,浅側頭動脈─中大脳動脈吻合術と冠動脈バイパス術の同時手術は慎重に検討する必要はあるものの,脳・心筋虚血ともに予防するという観点から,治療選択肢となり得る。ただし,冠動脈バイパス術中抗凝固に伴う頭蓋内出血リスクを想定し,十分対策をとる必要がある。 |
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ISSN: | 0468-2513 1349-7421 |
DOI: | 10.2185/jjrm.70.69 |