妊娠・出産を契機に見つかった肺動静脈瘻の1手術例

症例は31歳女性,特記すべき既往歴はない。第2子は予定帝王切開で出産したが,出産前より低酸素血症をきたし,出産後に増悪した。胸部造影CTにより右肺下葉に肺動静脈瘻が見つかった。肺動静脈瘻の瘤径は39×18×36mmであり,下葉動脈A10と下葉静脈V10間にシャントがあり,V10は12mmまで拡張していた。肺動静脈瘻に対し,出産49日目に胸腔鏡下右肺下葉切除術を施行した。術前の動脈血酸素分圧(PaO2)は66.4Torrであったが,術後には98.4Torrに改善した。  妊娠期間中の心拍出量や循環血症量の変化により,肺動静脈瘻が増悪することがある。妊娠を契機に低酸素血症が進行した場合,鑑別診断の...

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Veröffentlicht in:日本農村医学会雑誌 2019, Vol.68(4), pp.517-522
Hauptverfasser: 河村, 知幸, 川端, 俊太郎, 山岡, 賢俊, 小貫, 琢哉, 稲垣, 雅春
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は31歳女性,特記すべき既往歴はない。第2子は予定帝王切開で出産したが,出産前より低酸素血症をきたし,出産後に増悪した。胸部造影CTにより右肺下葉に肺動静脈瘻が見つかった。肺動静脈瘻の瘤径は39×18×36mmであり,下葉動脈A10と下葉静脈V10間にシャントがあり,V10は12mmまで拡張していた。肺動静脈瘻に対し,出産49日目に胸腔鏡下右肺下葉切除術を施行した。術前の動脈血酸素分圧(PaO2)は66.4Torrであったが,術後には98.4Torrに改善した。  妊娠期間中の心拍出量や循環血症量の変化により,肺動静脈瘻が増悪することがある。妊娠を契機に低酸素血症が進行した場合,鑑別診断のひとつとして肺動脈瘻を挙げる必要がある。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.68.517