胸水および心嚢水のセルブロックにてEGFR遺伝子T790M変異検索を行なった症例の検討

EGFR遺伝子変異陽性肺癌において,2017年時点では,第1~2世代EGFR-TKIs耐性化後に再生検でT790M変異を検出しOsimertinib投与が行なわれている。T790M変異検出は組織検体での評価が基本とされ,胸水や心嚢水が採取可能な場合はセルブロックでの検討が考慮されるが臨床的検討は十分でない。当院にて第1~2世代のEGFR-TKIs使用後に増悪し,胸水または心嚢水細胞診陽性となり,セルブロックでT790M変異検査を行なった症例について臨床的特徴を検討することとした。2016年4月から2017年8月の間に,当院にて体腔液セルブロックでT790M変異検出を試みた9例について,診療録を...

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Veröffentlicht in:日本農村医学会雑誌 2018, Vol.67(4), pp.485
Hauptverfasser: 鈴木, 悠斗, 中尾, 心人, 村松, 秀樹, 荒川, 総介, 酒井, 祐輔, 藤田, 浩平, 成田, 淳, 服部, 晋也, 佐藤, 英文
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:EGFR遺伝子変異陽性肺癌において,2017年時点では,第1~2世代EGFR-TKIs耐性化後に再生検でT790M変異を検出しOsimertinib投与が行なわれている。T790M変異検出は組織検体での評価が基本とされ,胸水や心嚢水が採取可能な場合はセルブロックでの検討が考慮されるが臨床的検討は十分でない。当院にて第1~2世代のEGFR-TKIs使用後に増悪し,胸水または心嚢水細胞診陽性となり,セルブロックでT790M変異検査を行なった症例について臨床的特徴を検討することとした。2016年4月から2017年8月の間に,当院にて体腔液セルブロックでT790M変異検出を試みた9例について,診療録をもとに後方視的に検討した。対象となった9例の患者背景は,年齢中央値が76歳,男性3例,初診時病期はⅣ期が7例,Ⅲ期および術後再発が各1例であった。初回診断方法は気管支鏡下生検が4例,胸水での診断が3例,CTガイド下生検と手術検体での診断が各1例であった。EGFR遺伝子変異はDel19が3例,L858Rが6例であった。初回診断からT790M検査までの期間中央値は30.8か月で,セルブロックからT790Mが検出されたのは7例であった。体腔液セルブロックから高率にT790M陽性変異が検出されたが,採取検体の部位や増悪様式の違いによるT790M検出頻度の差異などについて,さらなる検討が必要と考えられた。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.67.485