熟練訪問看護師による訪問看護実習での学生への関わり

病院完結型医療から地域完結型医療へのシフトに伴い,訪問看護の充実強化が求められ,在宅看護の視野をもつ看護師育成は緊急で重要な課題である。在宅看護の科目が看護教育カリキュラムに正式に位置づけられて約20年が経過した。しかし,いまだ,訪問看護師が同行訪問で指導する具体な実習指導方法は確立していないのが現状である。そこで,本研究は,訪問看護実習で熟練訪問看護師が学生を同行する際に,心がけて行なう学生への関わりを明らかにすることを目的とした。地方で活躍する熟練訪問看護師10名に半構造的面接調査を実施し質的帰納的分析を行なった。結果,7カテゴリ【緊張緩和をはかる】,【在宅療養生活の雰囲気を見て感じてもら...

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Veröffentlicht in:日本農村医学会雑誌 2018, Vol.66(6), pp.703
Hauptverfasser: 田村, 直子, 牛久保, 美津子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:病院完結型医療から地域完結型医療へのシフトに伴い,訪問看護の充実強化が求められ,在宅看護の視野をもつ看護師育成は緊急で重要な課題である。在宅看護の科目が看護教育カリキュラムに正式に位置づけられて約20年が経過した。しかし,いまだ,訪問看護師が同行訪問で指導する具体な実習指導方法は確立していないのが現状である。そこで,本研究は,訪問看護実習で熟練訪問看護師が学生を同行する際に,心がけて行なう学生への関わりを明らかにすることを目的とした。地方で活躍する熟練訪問看護師10名に半構造的面接調査を実施し質的帰納的分析を行なった。結果,7カテゴリ【緊張緩和をはかる】,【在宅療養生活の雰囲気を見て感じてもらう】,【個々の療養者宅にいち早く馴染めるようにする】,【コミュニケーション能力に合わせた対応から生活者の思いを知る機会をつくる】,【生活の中での看護ケア実践に繋げる】,【訪問の学びを言語化し次の訪問につなげる】,【学生が主体的にのびのび実習できるよう支持的姿勢で臨む】が抽出された。これら7つの関わりは,療養者宅に訪問する前・訪問中・訪問した後という時間的流れの中で使い分けられていた。  訪問看護実習は,療養者と家族の生活の場で行なう実習であり,訪問時間が限られている。その中でたくさんのことが学べるよう,熟練訪問看護師は,移動時間を有効に活用していた。加えて,熟練訪問看護師は,個別性の高い必要なケアを療養者・家族に提供しながら,学生に対しては,生活を支援する看護の理解を深めるため複数の関わりを同時に行なっていた。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.66.703