大腿骨近位部骨折患者の退院先決定に「家族介護力スコア」が有用である
本研究の目的は大腿骨近位部骨折例の退院先決定における家族介護力スコアの有用性を明らかにすることである。 対象は当院の亜急性期病床へ入院となった大腿骨近位部骨折例73例とした。対象を退院群48例, 転院群25例に分類し, 2群間で性別, 年齢, 受傷前における障害老人の日常生活自立度, 入床時における認知症老人の日常生活自立度, 退院時FIM (Functional Independence Measure), 介護者人数,家族介護力スコア, および在院日数を比較した。退院先を従属変数, 2群間の比較で退院先との関連を認めた要因を独立変数として, 多重ロジスティック回帰分析を行ない, 退院先に影...
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Veröffentlicht in: | 日本農村医学会雑誌 2013, Vol.62(4), pp.610-617 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本研究の目的は大腿骨近位部骨折例の退院先決定における家族介護力スコアの有用性を明らかにすることである。 対象は当院の亜急性期病床へ入院となった大腿骨近位部骨折例73例とした。対象を退院群48例, 転院群25例に分類し, 2群間で性別, 年齢, 受傷前における障害老人の日常生活自立度, 入床時における認知症老人の日常生活自立度, 退院時FIM (Functional Independence Measure), 介護者人数,家族介護力スコア, および在院日数を比較した。退院先を従属変数, 2群間の比較で退院先との関連を認めた要因を独立変数として, 多重ロジスティック回帰分析を行ない, 退院先に影響を与える要因を検討した。 2群間で有意差を認めたのは, 退院時FIM, 家族介護力スコアであった。多重ロジスティック回帰分析の結果, 退院先に影響を与える要因として, 退院時FIM, 家族介護力スコアが選択された。退院先を状態変数として「退院時FIM」,「家族介護力スコア」,「退院時FIM+家族介護力スコア」のReceiver operating characteristic曲線を描出した結果, Area under the curveはそれぞれ0.763, 0.681, 0.786であり,「退院時FIM+家族介護力スコア」で最高値を示した。 大腿骨近位部骨折例の退院先決定には, FIMと家族介護力スコアを併用することが有用であることが明らかとなった。 |
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ISSN: | 0468-2513 1349-7421 |
DOI: | 10.2185/jjrm.62.610 |