当院のTomoTherapy導入による放射線治療の現状

当院は2010年10月に機器更新に伴い放射線治療装置トモセラピーを導入した。トモセラピーはヘリカルの強度変調放射線治療が可能で,メガボルトCTを用いたイメージガイドシステムを備えている。これらの技術により,腫瘍の形状に合わせた照射ができ,かつリスク臓器への線量を抑えた照射ができるようになり,また照射位置精度を向上させることが可能となった。頭部,頸部,腹部,骨盤部への照射に関してはこのヘリカル照射が適している。我々はヘリカル照射にて昨年度150名近い患者を治療することができた。  しかし,ヘリカル照射では低線量領域が従来の照射法に比べて広くなってしまうことが問題となる。肺に対して低線量の照射体積...

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Veröffentlicht in:日本農村医学会雑誌 2012/07/31, Vol.61(2), pp.102-108
Hauptverfasser: 伊東, 宏也, 三好, 佳仁, 井上, 友美, 杉谷, 政剛
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:当院は2010年10月に機器更新に伴い放射線治療装置トモセラピーを導入した。トモセラピーはヘリカルの強度変調放射線治療が可能で,メガボルトCTを用いたイメージガイドシステムを備えている。これらの技術により,腫瘍の形状に合わせた照射ができ,かつリスク臓器への線量を抑えた照射ができるようになり,また照射位置精度を向上させることが可能となった。頭部,頸部,腹部,骨盤部への照射に関してはこのヘリカル照射が適している。我々はヘリカル照射にて昨年度150名近い患者を治療することができた。  しかし,ヘリカル照射では低線量領域が従来の照射法に比べて広くなってしまうことが問題となる。肺に対して低線量の照射体積が大きくなると放射性肺炎のリスクを増加させる恐れがある。  そのため胸壁や縦隔等の胸郭病巣への照射は困難であると思われたが,このような症例の場合トモダイレクトを使用することで解決できる。  トモダイレクトは,従来の照射法と同様のガントリー固定の治療計画ができるようになった。ただし,ヘリカル照射と同様に寝台移動をしながら照射を行ない,強度変調放射線治療が可能である。トモダイレクトにて昨年度20名以上の患者を治療することができた。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.61.102