9. 救命に成功した壊死性筋膜炎の1例

症例は51歳男性. 当院来院4日前に自宅にて右下腿を虫に刺され, その後右下腿腫脹を認めた. 来院3日前から腫脹により歩行困難になった. 来院前日夜間38℃台の発熱があり, 一晩経過しても改善しないため, 救急要請し, 当院救急外来受診した. 来院時, JCS I-1~2の意識障害, DIC, 腎機能障害を認め, 急激に腫脹する右下腿腫脹から壊死性筋膜炎と診断された. 早期にCefazolin, Clindamycin投与を行ない, 右下腿腫脹に対する迅速なデブリードマンを行ない, その後重症管理を行なった. 術中迅速診断にてA群β溶連菌陽性であり, CefazolinからAmpicillin...

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Veröffentlicht in:日本農村医学会雑誌 2012, Vol.60 (5), p.635-636
Hauptverfasser: 大竹宗太郎, 九鬼隆家, 柴原宏, 一氏俊世, 鳥居博子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は51歳男性. 当院来院4日前に自宅にて右下腿を虫に刺され, その後右下腿腫脹を認めた. 来院3日前から腫脹により歩行困難になった. 来院前日夜間38℃台の発熱があり, 一晩経過しても改善しないため, 救急要請し, 当院救急外来受診した. 来院時, JCS I-1~2の意識障害, DIC, 腎機能障害を認め, 急激に腫脹する右下腿腫脹から壊死性筋膜炎と診断された. 早期にCefazolin, Clindamycin投与を行ない, 右下腿腫脹に対する迅速なデブリードマンを行ない, その後重症管理を行なった. 術中迅速診断にてA群β溶連菌陽性であり, CefazolinからAmpicillinに変更した. 第14病日に敗血症性ショックになるも, 補液, 昇圧薬, 抗菌薬の使用にて治療し病状改善した. 第28病日・67病日に植皮を行ない, 経過良好にて第91病日に退院となった. 現在は入院前の普段と変わらない生活を送られている. 今回救命できた理由として(1)早期デブリードマン施行, (2)適切な抗菌薬の投与, (3)比較的若年齢, (4)治療時, 毒素性ショック症候群でなかったの4点が挙げられる.
ISSN:0468-2513