10. 超音波検査による肥厚性幽門狭窄症の1例

[病態] 胃幽門部の輪状筋を主とした肥厚による通過障害. 生後2~4週頃から嘔吐. 症状が悪化するにつれ体重減少, 脱水が顕著. [症例] 生後3週目頃から嘔吐. 1か月検診時に単純X線で胃の拡張. 超音波検査(以下US)で幽門筋の肥厚狭窄なし. 2日後, 症状続き体重減少のため入院. USで幽門筋厚5mm, 血液pH7.557と高めで本疾患を考え硫酸アトロピン+輸液治療開始. 翌日, 血液pH改善. その後嘔吐症状の改善で15日後退院. 発症5週目のUSで幽門筋厚3mm. 発症12週目で嘔吐症状が消失により治療終了. [結語] 単純X線や胃透視は2次的変化の陰をみるもので, 特異性に乏しい....

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Veröffentlicht in:日本農村医学会雑誌 2011, Vol.60 (4), p.565-565
Hauptverfasser: 宮崎勝吉, 斉藤桂子, 本間清美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:[病態] 胃幽門部の輪状筋を主とした肥厚による通過障害. 生後2~4週頃から嘔吐. 症状が悪化するにつれ体重減少, 脱水が顕著. [症例] 生後3週目頃から嘔吐. 1か月検診時に単純X線で胃の拡張. 超音波検査(以下US)で幽門筋の肥厚狭窄なし. 2日後, 症状続き体重減少のため入院. USで幽門筋厚5mm, 血液pH7.557と高めで本疾患を考え硫酸アトロピン+輸液治療開始. 翌日, 血液pH改善. その後嘔吐症状の改善で15日後退院. 発症5週目のUSで幽門筋厚3mm. 発症12週目で嘔吐症状が消失により治療終了. [結語] 単純X線や胃透視は2次的変化の陰をみるもので, 特異性に乏しい. USは直接幽門筋を描出し評価するため診断能はほぼ確立している. 診断基準は幽門筋厚3~4mm以上, 幽門管長15~20mm以上で縦断像が良いと論じられている. 診断し治療効果を診るうえで, 画像診断としてUSは重要な検査であると考える.
ISSN:0468-2513