自閉症の特性に配慮することにより麻酔導入が行なえた1症例

医療行為を拒絶する16歳男性自閉症患者に対し,鎮静下の術前検査と全身麻酔下歯科治療を実地した。手術室入室と静脈路確保は患者にストレスを与えることから,前投薬としてミダゾラムを内服させた。自閉症の特性の一つとして物事への固執があるが,当患者では自身のカップでコーヒーを飲むことであった。そこで,この固執を考慮して,コーヒー飲料少量とミダゾラムを患者のカップにいれて渡したところ,拒絶することなくすべて飲んだ。鎮静状態が得られたため,手術室入室,静脈路確保,麻酔導入が円滑に行なえた。  障害者に対して特性に配慮して歯科医療を行なうことは重要であり,上質な医療サービス提供の一歩になると考えられた。...

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Veröffentlicht in:日本農村医学会雑誌 2011/05/30, Vol.60(1), pp.37-40
Hauptverfasser: 佐藤, 裕, 矢部, 雅哉, 大平, 明範, 高丸, 宏
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:医療行為を拒絶する16歳男性自閉症患者に対し,鎮静下の術前検査と全身麻酔下歯科治療を実地した。手術室入室と静脈路確保は患者にストレスを与えることから,前投薬としてミダゾラムを内服させた。自閉症の特性の一つとして物事への固執があるが,当患者では自身のカップでコーヒーを飲むことであった。そこで,この固執を考慮して,コーヒー飲料少量とミダゾラムを患者のカップにいれて渡したところ,拒絶することなくすべて飲んだ。鎮静状態が得られたため,手術室入室,静脈路確保,麻酔導入が円滑に行なえた。  障害者に対して特性に配慮して歯科医療を行なうことは重要であり,上質な医療サービス提供の一歩になると考えられた。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.60.37