35. 更新放射線治療装置を用いた定位放射線治療

〔背景〕近年, 放射線治療が高精度化してきている. 代表的な照射法として定位放射線治療（SRT）がある. 土浦協同病院では高精度放射線治療システムを新規に導入し, SRTの実施が可能となった. その治療経験を報告する. 〔対象と方法〕2009年7月～2010年2月に放射線治療を行なった患者について以下の3点を調べた. (1)全患者に対するSRT実施の割合とその対象部位. (2)SRTの準備や照射の手順. (3)それに要する医療費. 〔結果〕(1)件数：29件（脳8件, 肺17件, 肝4件）, 割合：7.9％（29件/369件）. (2)準備：固定具作成, 照射計画用CT撮影, 照射計画. 治療：光学系での体位合わせ, エックス線での位置照合, 照射. (3)保険点数：初回64,070点, 2回目以降70点. 〔まとめ〕SRTは腫瘍への放射線集中性が高いため, 根治性は高く, 治療期間も短いので患者への身体的負担が少ない優れた治療法である. 今後もSRTを積極的に実施していきたい.