異なる臨床経過を示したロタウイルス性急性脳症の2例

ロタウイルス感染に伴う急性脳症を2例経験した。 〔症例1〕2歳11か月の女児で全身強直間代性けいれんで発症した。人工呼吸管理まで要したが,後遺症なく回復した。 〔症例2〕2歳2か月の女児で不機嫌状態が遷延し,脳波の徐波化,頭部MRIで小脳に異常信号を認めた。運動機能は回復したが,高次脳機能と軽度の小脳症状が残った。  ロタウイルスによる脳症には,けいれん発作主体のものだけでなく,小脳に主病変を示すタイプがある。前者は診断・治療とも他のウイルス性急性脳症に準ずることで大きな問題はないが,後者は早期診断に苦慮することもあり,また,有効な治療法も確立されていない。...

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Veröffentlicht in:日本農村医学会雑誌 2011/01/30, Vol.59(5), pp.591-594
Hauptverfasser: 渡辺, 章充, 南風原, 明子, 黒澤, 信行, 渡部, 誠一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:ロタウイルス感染に伴う急性脳症を2例経験した。 〔症例1〕2歳11か月の女児で全身強直間代性けいれんで発症した。人工呼吸管理まで要したが,後遺症なく回復した。 〔症例2〕2歳2か月の女児で不機嫌状態が遷延し,脳波の徐波化,頭部MRIで小脳に異常信号を認めた。運動機能は回復したが,高次脳機能と軽度の小脳症状が残った。  ロタウイルスによる脳症には,けいれん発作主体のものだけでなく,小脳に主病変を示すタイプがある。前者は診断・治療とも他のウイルス性急性脳症に準ずることで大きな問題はないが,後者は早期診断に苦慮することもあり,また,有効な治療法も確立されていない。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.59.591