通院困難離島患者に対する両眼同時白内障手術と離島往診による術後管理の有効性と術後合併症発症の検討
〔目的〕適切な眼科通院サポートが無いために白内障手術を諦めている離島住民に対して,比較的長期の入院と離島往診を組み合わせた白内障手術とその術後管理の有効性と術後合併症の発症について検討した。 〔対象と方法〕対象は定期的に離島往診を行なっている患者のうち,2009年1月から2010年1月までに当科で白内障手術を施行後,当院眼科外来または離島往診にて6か月以上の術後経過観察が可能であった27例54眼とした。上記の患者をI.白内障手術前後に当科への通院が可能な患者群 (通院可能群) と,II.当科への通院が困難な患者群(通院困難群)の2つに分けた。各群の患者には白内障手術前に所定の検査を行ない,手術...
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Veröffentlicht in: | 日本農村医学会雑誌 2010/11/30, Vol.59(4), pp.493-499 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 〔目的〕適切な眼科通院サポートが無いために白内障手術を諦めている離島住民に対して,比較的長期の入院と離島往診を組み合わせた白内障手術とその術後管理の有効性と術後合併症の発症について検討した。 〔対象と方法〕対象は定期的に離島往診を行なっている患者のうち,2009年1月から2010年1月までに当科で白内障手術を施行後,当院眼科外来または離島往診にて6か月以上の術後経過観察が可能であった27例54眼とした。上記の患者をI.白内障手術前後に当科への通院が可能な患者群 (通院可能群) と,II.当科への通院が困難な患者群(通院困難群)の2つに分けた。各群の患者には白内障手術前に所定の検査を行ない,手術後に通院可能群は当院外来で,通院困難群では当院外来と離島往診で術後検査を施行した。 〔結果〕通院可能群は13例26眼,平均年齢は79.3歳,通院困難群は14例28眼,平均年齢は82.6歳であった。術前の検査では平均視力 (logMARで表示。括弧内は少数視力)は通院可能群で0.69 (0.41),通院困難群で0.80 (0.33),術前の平均等価球面度数は通院可能群で-0.43D,通院困難群で-0.42Dでいずれも有意差を認めなかった。術後の視力については通院可能群,通院困難群いずれの群でも概ね2段階以上の視力の改善がみられ通院可能群で0.36 (0.66),通院困難群で0.44 (0.53)であり,術後の眼感染症はいずれの群でも見られなかった。 〔結論〕眼科通院が困難な離島患者に対して,入院期間を延長し離島往診での手術後診察を組み合わせることで従来と同等の手術結果が得られ,術後の合併症発症に有意な差は見られなかった。 |
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ISSN: | 0468-2513 1349-7421 |
DOI: | 10.2185/jjrm.59.493 |