脳ドック時に同時実施した甲状腺超音波スクリーニング結果の検討
当院脳ドックでは検査項目のひとつである頸動脈超音波検査のときに,同時に甲状腺の超音波スクリーニングを実施してきた。今回我々は,この甲状腺超音波スクリーニングの有用性について検討した。対象は1992年12月から2007年3月までの当院脳ドック受診者で複数回受診者を除く,実質受診者4,338名である。腫瘤性病変では100例の要精検者のうち79例が精検を受診し (精検受診率79%),このなかから17例 (発見率0.39%) の乳頭癌が発見された。このうち当院で治療 (切除術) が行なわれた13例につき検討すると,平均腫瘤径11mmと小さなものが多く,病期分類のn分類でもn0が8例,n1が5例と早期の...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本農村医学会雑誌 2009/07/30, Vol.58(2), pp.73-78 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 当院脳ドックでは検査項目のひとつである頸動脈超音波検査のときに,同時に甲状腺の超音波スクリーニングを実施してきた。今回我々は,この甲状腺超音波スクリーニングの有用性について検討した。対象は1992年12月から2007年3月までの当院脳ドック受診者で複数回受診者を除く,実質受診者4,338名である。腫瘤性病変では100例の要精検者のうち79例が精検を受診し (精検受診率79%),このなかから17例 (発見率0.39%) の乳頭癌が発見された。このうち当院で治療 (切除術) が行なわれた13例につき検討すると,平均腫瘤径11mmと小さなものが多く,病期分類のn分類でもn0が8例,n1が5例と早期のものが多かった。び慢性疾患では101例の要精検者のうち45例 (精検受診率44.6%) が精検を受診し,バセドー病5例,慢性甲状腺炎15例 (0.35%) が発見された。バセドー病の5例は全例に機能亢進を認め,慢性甲状腺炎15例のうち9例には機能低下を認めた。また,甲状腺外の腫瘤として副甲状腺腺腫1例,中咽頭癌の転移性リンパ節1例,悪性リンパ腫1例が発見された。甲状腺超音波スクリーニングは癌の早期発見だけでなく,甲状腺機能異常のスクリーニングとしても有用な検査と考えられた。 |
---|---|
ISSN: | 0468-2513 1349-7421 |
DOI: | 10.2185/jjrm.58.73 |