74. 大腿骨頸部骨折患者における認知症の有無と退院先の関係
当院では, 高齢で認知症を合併する大腿骨頸部骨折患者が多い. 先行研究では, 認知症患者は歩行能力が低下し, 自宅退院が困難になると考察されている. しかし認知症が退院先に与える影響については十分明らかにされていない. 本研究の目的は, 認知症の有無によって大腿骨頸部骨折患者の入院前後の居住地が, 変化するかを明らかにすることである. 対象は, 観血的手術を施行した大腿骨頸部骨折患者で, 入院直後の改訂長谷川式簡易知能評価スケールより20点以下の認知症群と21点以上の非認知症群である. 方法は2群間でADL, 歩行能力, 退院先について比較した. 認知症群は, ADL能力が低かったものの, 歩...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本農村医学会雑誌 2009, Vol.57 (5), p.761-761 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 当院では, 高齢で認知症を合併する大腿骨頸部骨折患者が多い. 先行研究では, 認知症患者は歩行能力が低下し, 自宅退院が困難になると考察されている. しかし認知症が退院先に与える影響については十分明らかにされていない. 本研究の目的は, 認知症の有無によって大腿骨頸部骨折患者の入院前後の居住地が, 変化するかを明らかにすることである. 対象は, 観血的手術を施行した大腿骨頸部骨折患者で, 入院直後の改訂長谷川式簡易知能評価スケールより20点以下の認知症群と21点以上の非認知症群である. 方法は2群間でADL, 歩行能力, 退院先について比較した. 認知症群は, ADL能力が低かったものの, 歩行能力の改善度合いには変化がみられなかった. 入院前後の居住地では, 有意な差を認め, 認知症群は施設から自宅へ戻る例や居住地の維持例が多くみられた. これらより, 認知症患者が必ずしも自宅退院が困難になるとは限らないことが示唆された. |
---|---|
ISSN: | 0468-2513 |