68. TAEにて救命し得た内腸骨動脈仮性動脈瘤の1例

症例は28歳男性. 早朝排便時に激烈な腰痛が出現し, 救急車にて搬送された. 腹部CT上, 多量の後腹膜血腫とともに左内腸骨動脈近位部の拡張および造影剤の血管外漏出像を認め同部からの出血と診断した. 血管造影検査上, 左内腸骨動脈近位部に仮性動脈瘤が認められ, 金属コイルによるTAE(経カテーテル的動脈塞栓術)を施行した. 仮性動脈瘤遠位部へのコイル留置直後に腰痛の増悪, 血圧低下が発生したが, 近位部に向かい順次金属コイルを追加留置するに従い症状は改善した. 術後経過は良好で1年経過した時点で再出血およびコイルの移動は認められていない. 腸骨動脈領域における仮性動脈瘤の成因として外傷, 血管...

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Veröffentlicht in:日本農村医学会雑誌 2008, Vol.56 (5), p.759-759
Hauptverfasser: 渡辺智文, 植田瑞穂, 渡辺俊一, 降旗俊一, 岡田邦彦, 奥田愛, 宮崎純子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は28歳男性. 早朝排便時に激烈な腰痛が出現し, 救急車にて搬送された. 腹部CT上, 多量の後腹膜血腫とともに左内腸骨動脈近位部の拡張および造影剤の血管外漏出像を認め同部からの出血と診断した. 血管造影検査上, 左内腸骨動脈近位部に仮性動脈瘤が認められ, 金属コイルによるTAE(経カテーテル的動脈塞栓術)を施行した. 仮性動脈瘤遠位部へのコイル留置直後に腰痛の増悪, 血圧低下が発生したが, 近位部に向かい順次金属コイルを追加留置するに従い症状は改善した. 術後経過は良好で1年経過した時点で再出血およびコイルの移動は認められていない. 腸骨動脈領域における仮性動脈瘤の成因として外傷, 血管炎, 感染症, 医原性が挙げられるが本例はいずれにも該当せず, 成因を特定できなかった. 塞栓術中の血圧低下はコイル留置に伴い一時的に仮性動脈瘤内の圧が高まり出血量が増加したものと推定され, バルーンカテーテル併用などの手技上の工夫が望ましかった.
ISSN:0468-2513