28. 迅速髄膜炎検査の有用性 -当院で経験した2症例

髄膜炎は大きく分けて, 無菌性髄膜炎と細菌性髄膜炎に分けられる. ウイルス性などの無菌性髄膜炎は細菌性髄膜炎に比べ症状も軽く, 多くは後遺症もなく治る. 細菌性髄膜炎は死亡率が30%と高く, 一命をとりとめたとしても, 重篤な後遺症が残る可能性があり, 緊急かつ早期に診断し, 治療を開始することが重要である. 当院では平成15年より日本ビオメリユー社のスライデックスメニンギートキット-5による迅速髄膜炎検査を24時間対応して行なっているが, これまでに2例の肺炎連鎖球菌陽性例を経験した. 2名の患者は, 共に, 来院時に迅速髄膜炎検査を行なったことにより, 早期に細菌性髄膜炎の診断がつき, 抗...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本農村医学会雑誌 2007, Vol.56 (2), p.100-100
Hauptverfasser: 臺 美恵子, 佐藤和代, 秋田数男, 野口明子, 有川良二, 柴崎 修, 秋本 学
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:髄膜炎は大きく分けて, 無菌性髄膜炎と細菌性髄膜炎に分けられる. ウイルス性などの無菌性髄膜炎は細菌性髄膜炎に比べ症状も軽く, 多くは後遺症もなく治る. 細菌性髄膜炎は死亡率が30%と高く, 一命をとりとめたとしても, 重篤な後遺症が残る可能性があり, 緊急かつ早期に診断し, 治療を開始することが重要である. 当院では平成15年より日本ビオメリユー社のスライデックスメニンギートキット-5による迅速髄膜炎検査を24時間対応して行なっているが, これまでに2例の肺炎連鎖球菌陽性例を経験した. 2名の患者は, 共に, 来院時に迅速髄膜炎検査を行なったことにより, 早期に細菌性髄膜炎の診断がつき, 抗生剤を投与し, 救命することができた. 迅速髄膜炎検査は, ラテックス擬集反応により客観的に結果を出すことができ, 30分以内で迅速診断できることから, 臨床サイドに大いに役立つ. しかし, 検査の前処理が煩雑なため, 今後メーカーに試薬の改良を望む.
ISSN:0468-2513