11.急激な変化が見られたクローン病疑いの1例

近年本邦に於いてもIBD(Inflammatory Bowel Disease)やその癌化例が年齢に関係なく増加している. 最近, 我々は検診の便潜血でチェックされ, 近医の注腸検査では著変なかったが, 3か月後腹痛, 膨満の増強にて紹介された患者が, 注腸にてクローン病としての所見が明瞭になってきた症例を経験したので報告する. 症例は, 46歳の男性で平成17年1月に当院外科へ紹介され, 初診. 検査所見ではCRP, TPがわずかに異常所見を呈したのみであったが, 注腸にて盲腸, 横行結腸, 下行結腸, 直腸に分節的に限局したDysplasia 所見と縦走潰瘍がみられ, クローン病などのIB...

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Veröffentlicht in:日本農村医学会雑誌 2006, Vol.55 (2), p.119-120
Hauptverfasser: 川崎恒雄, 彦坂 信, 三島英行, 石橋 敦, 高橋良延, 新妻義文, 前田正光, 津久井一, 三井清文, 八重樫弘, 胡居郁朗
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年本邦に於いてもIBD(Inflammatory Bowel Disease)やその癌化例が年齢に関係なく増加している. 最近, 我々は検診の便潜血でチェックされ, 近医の注腸検査では著変なかったが, 3か月後腹痛, 膨満の増強にて紹介された患者が, 注腸にてクローン病としての所見が明瞭になってきた症例を経験したので報告する. 症例は, 46歳の男性で平成17年1月に当院外科へ紹介され, 初診. 検査所見ではCRP, TPがわずかに異常所見を呈したのみであったが, 注腸にて盲腸, 横行結腸, 下行結腸, 直腸に分節的に限局したDysplasia 所見と縦走潰瘍がみられ, クローン病などのIBD を疑い, CFを施行したが明瞭な病理組織学的確診が得られないままクローン病に準じた治療を開始. 諸般の事情で経過が追えなくなった6か月後, 右季肋部に一部自潰を伴った発赤せる腫瘤(クルミ大)が出現, 同部からの組織生検で, 大腸癌と判明した. IBD と大腸癌との関係についてフィードバックして初回の注腸X 線写真から見直して, 検討した.
ISSN:0468-2513