酒精綿の消毒方法を見直して~意識調査と手技の統一を図って
2000年にセラチア菌による末梢静脈カテーテル感染が発生し, セラチア感染の原因の一つとして酒精綿の汚染も否定できないと報告された. 今回, 酒精綿の取り扱いについて調査することで酒精綿使用時の認識を改め, 手技統一を図ることで, より酒精綿消毒の効果を高められたので報告する. (1)酒精綿(コットンパック200枚入り)の取り扱い, 取り出し回数, 消毒方法の手技チェック及びアンケート→手技チェック時消毒部位を寒天培地で採取, 24h, 48h後の菌数の増加を観察. (2)統一した手技の説明. (3)統一後, 再度手技チェック及びアンケート, 菌数の増加を観察. 酒精綿の取り出し回数は約40~...
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Zusammenfassung: | 2000年にセラチア菌による末梢静脈カテーテル感染が発生し, セラチア感染の原因の一つとして酒精綿の汚染も否定できないと報告された. 今回, 酒精綿の取り扱いについて調査することで酒精綿使用時の認識を改め, 手技統一を図ることで, より酒精綿消毒の効果を高められたので報告する. (1)酒精綿(コットンパック200枚入り)の取り扱い, 取り出し回数, 消毒方法の手技チェック及びアンケート→手技チェック時消毒部位を寒天培地で採取, 24h, 48h後の菌数の増加を観察. (2)統一した手技の説明. (3)統一後, 再度手技チェック及びアンケート, 菌数の増加を観察. 酒精綿の取り出し回数は約40~80回と複数の手が出し入れされている事が分かった. 調査中, 48時間以上経過しているものも多数あり, そのまま使用していた. 又, 蓋が完全に閉まっていないこともあった. 手技の統一前にスタッフにアンケートを取った結果, 手洗いをせずに実施すると答えた人が65%とスタッフの大半が処置後患者に触れた手で酒精綿に触れている事が分かる. 統一後は, 点滴, 採血など酒精綿を扱う前に手洗いをする人が31%から69%まで増えた. 又, 抜き打ち調査からも半数の人が手洗いが出来ていなかったが統一後は大多数の人が手洗いが出来ていた. アンケートの意見で手技の統一を図って認識できたと思う人が73%あり再認識に結びついた. 統一前は寒天培地による培養結果で5人の患者より36%コロニーが検出された. 統一後は3人の患者からコロニーが検出されたが21%と減少している. 持続点滴刺入が必要な場合アルコール消毒は即効性があり容易に蒸発し細菌を残さず皮膚の刺激が少ない点から注射部位の消毒には最適の消毒と言える. しかし, 看護師の取り扱いにより消毒効果が低下する. 今回の結果よりこれはスタッフに自分たちの手が汚染されているといった認識の低さが伺える. 今回手技を統一する事で, 注射部位の細菌数が確実に減り, スタッフも手洗いの重要性について意識づけできたと思われる. 末梢静脈カテーテルは汎用される医療処置である. それゆえに今後, 手洗いをはじめとし酒精綿を正しく取り扱うようにして感染予防に努めていきたい. 又, 48時間以内に使い切れるように100枚入りのコットンパックへ変更している. (1)大垣市民病院院内感染対策小委員会:院内感染予防対策マニュアル, 日総研出版, H6年. |
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ISSN: | 0468-2513 |