村上総合病院看護部リスクマネジメント委員会の活動報告~誤薬の減少をめざして

当院看護部のリスクマネジメント委員会は看護部のインシデント・アクシデントレポートを共有し, 事故防止を図ることを目的とし平成13年6月20日に発足された. 活動内容は1.インシデント・アクシデントレポートの集計, 2.事故防止マニュアルの作成, 3.事故防止に対しての啓蒙, 4.医療安全対策小委員会への提言をする. 以上4項目である. 平成15年度のレポート総提出数は1182件あり, そのうち誤薬に対するレポート数が373件と32%を占めた. このことから平成16年度の委員会目標を「誤薬の定量分析を行ない対策を立て, レポート数の減少につなげる」とした. 今回, 誤薬の中でも経口薬について取り...

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Hauptverfasser: 青柳志津子, 高橋英子
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:当院看護部のリスクマネジメント委員会は看護部のインシデント・アクシデントレポートを共有し, 事故防止を図ることを目的とし平成13年6月20日に発足された. 活動内容は1.インシデント・アクシデントレポートの集計, 2.事故防止マニュアルの作成, 3.事故防止に対しての啓蒙, 4.医療安全対策小委員会への提言をする. 以上4項目である. 平成15年度のレポート総提出数は1182件あり, そのうち誤薬に対するレポート数が373件と32%を占めた. このことから平成16年度の委員会目標を「誤薬の定量分析を行ない対策を立て, レポート数の減少につなげる」とした. 今回, 誤薬の中でも経口薬について取り組み, 分析内容, 対策及び, 評価を行なったので報告する. インシデント・アクシデントレポート数の内訳 平成15年度総提出数1182件 (1)誤薬373件32% (2)転倒・転落199件17% (3)事故・自己抜去167件14% (4)その他516件37% 平成16年度総提出数1085件 (1)誤薬271件25% (2)転倒・転落277件26% (3)事故・自己抜去220件20% (4)その他317件29% 経口薬についてのインシデント・アクシデントレポート 平成15年度90件, 平成16年度72件 平成15年度の経口薬に関するレポートを厚生科学研究班が公表した「与薬発生要因マップ」用いて分析した. 内服与薬エラーマップとは業務の6プロセス(A医師の指示, B看護師の指示受け, C看護師の与薬準備, D看護師の与薬(配薬), E対象患者, F与薬後観察). 5種のエラー(1.対象患者エラー, 2.薬剤(内容)エラー, 3.薬剤量エラー, 4.投与方法エラー, 5.その他のエラー)によって, 発生要因を分類し整理するものである. 内服薬事例を内服与薬エラーマップに当てはめ定量分析を行なった結果, 内服与薬では, プロセスで分類すると看護師の与薬が50件で最も多く, 続いて看護師の指示受けが18件であった. エラーで分類すると薬剤(内容)エラーが43件で最も多く, 続いて経口の対象(患者)エラーが15件であった. 各マトリックスのうち, 一番数が多く占めた事例は看護師の与薬(配薬)プロセスかつ薬剤(内容)エラーが33件と全体の約37%を占めていた. その内容は, 投与忘れ27件. 変更中止すべき薬を投与3件. 異なる薬を投与3件であった. (1)与薬(配薬)エラーの内容を各病棟スタッフに伝え, 現状を認識してもらう. (2)内服薬が処方されてから患者が内服するまでの過程を病棟チーム毎に作成し, どこにエラーが出るのか探る. (3)チーム毎に, 与薬に対する誤薬防止マニュアルを作成する. (文章化することで, 勤務移動があった場合でも分かりやすいため)マニュアルの内容(保管容器の工夫・責任の所在・保管場所の徹底・特殊薬の一包化・内薬の確認・多剤ある場合の表示の工夫). 平成15年度誤薬のレポート数90件に対し平成16年度レポート数は72件と減少した. 看護師の与薬(配薬)プロセスかつ薬剤(内容)エラーが33件から26件に減少した. 昨年度, 誤薬の減少を目標として取り組みした結果レポート数は18件減少した. 誤薬においての配薬過程を知り, マニュアルを作成し実践したことで誤薬に対しての意識は高まったため減少したと考えられる. 更に看護部リスクマネジメント委員会として現状を把握し分析を行なうことが重要であると考える.
ISSN:0468-2513