若年者の食生活の実態

近年, 核家族化やライフスタイルの多様化などによって, 若年者の孤食, 偏食, 欠食などの食の乱れが大きな問題としてクローズアップされている. 特に1人暮らしの若者では欠食, 外食, 加工食品などの利用により, 栄養素の摂取が偏ったり, 食事時間が不規則になりがちである. そこで今回, 若年者の食習慣調査を実施し, その実態を把握したので報告する. 小・中学生281名に食習慣調査(平成15から16年度), 専門学生(女性)66名に食習慣調査と3日間食事記録調査(平成16年度)を実施し, 「県民の食生活に関する調査」及び秋田県南部の食習慣調査結果と比較した. 1)専門学生の摂食状況を3日間の食事...

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Hauptverfasser: 高橋恵子, 佐々木英行, 桐原優子, 今野谷美名子, 月澤恵子, 石成誠子, 高嶋妃路子, 照井一幸, 荻原忠, 林雅人
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:近年, 核家族化やライフスタイルの多様化などによって, 若年者の孤食, 偏食, 欠食などの食の乱れが大きな問題としてクローズアップされている. 特に1人暮らしの若者では欠食, 外食, 加工食品などの利用により, 栄養素の摂取が偏ったり, 食事時間が不規則になりがちである. そこで今回, 若年者の食習慣調査を実施し, その実態を把握したので報告する. 小・中学生281名に食習慣調査(平成15から16年度), 専門学生(女性)66名に食習慣調査と3日間食事記録調査(平成16年度)を実施し, 「県民の食生活に関する調査」及び秋田県南部の食習慣調査結果と比較した. 1)専門学生の摂食状況を3日間の食事記録で見ると, 朝食をきちんと食べている人は50.2%と少なく, おにぎり, パン, カップめん, 菓子等で簡単に済ませている人が21.2%, 欠食している人が26.7%を占めていた. 1日2食欠食している人が5%, 1回の欠食ともう1食はおにぎり・パン等単品で済ませている人が9.1%と少数ではあるがかなり深刻な状態が見られた. 1日の食品数を見るとドック受診者の21.6種類に対し, 専門学生は12.7種類で10種類近く下回っていた. 1日の食品数が10種類に満たない人は2割を占めていた. 2)食品の摂取状況を平成13年度の県民の食生活に関する調査結果と比較してみると, 魚類を毎日摂取している人は中学生の男子が11.6%で県民の結果とほぼ同様であり, 女子は若干低値を示していた. 専門学生は21.2%で中学生より魚類を食べていた. 牛乳では中学生の男子が約7割, 女子で5割を占めており, 専門学生は18.2%とかなり少なかった, 大豆製品では中学生, 専門学生共に県民より10から15%低値を示していた. 同様に野菜, 果物についても県民より低値を示しており, 特に女子の摂取状況が悪かった. 専門学生の野菜のとり方は1日2回以上食べている人が2割程度であった. 3)秋田県南部の町村で実施した調査結果と年代別に比較してみると, 料理の味付けが濃い方と答えている人は専門学生が34.4%, 30代以降の年代では1割弱であった. 汁物を1日1杯以上摂取している人は専門学生が28.6%に対し, 30代以降の年代では8割以上を占めていた. 魚類を1日1回以上摂取している人は専門学生が約2割に対し, 30代以降は加齢と共に増加しており70歳以上の人では約7割を示していた. 牛乳を毎日1本以上飲む人は各年代共に4割前後と少なく, 専門学生はさらにその半分以下であった. 大豆製品, 野菜の摂取も70歳以上と比較すると1/3から1/4程度であった. 以上の結果より, 若年者の欠食, 食品数の不足, 魚類, 大豆製品, 野菜, 果物, 味噌汁・汁物など各種食品の摂取不足が明らかになった. 近年「食育」という言葉が頻繁に出て来るが, 食育で身につけたい能力の一つとして, 『自分の身体にとって必要な食べ物をバランスよく食べているかを判断する能力』があります. 子供達は勿論ですが, その親である20から40代へ, そして家族全体の課題として働きかけを強めていきたいと考える.
ISSN:0468-2513