15.進行性脳梗塞症例における下肢運動機能の検討

〔はじめに〕放線冠部梗塞では, 入院後に麻痺が進行することがあり, その後歩行が自立する症例がある一方で, 訓練室では歩行可能となっても自宅では歩行できなくなる症例も経験する. 今回, 梗塞巣の部位により麻痺の進行や回復は異なるのか, また実用歩行に至った症例と至らなかった症例の違いは何か, 下肢機能に注目し, その要因を検討した. 〔対象〕過去2年7か月間に放線冠梗塞の診断で入院し, 入院後麻痺が進行した10名. 〔結果〕(1)放線冠梗塞における麻痺の進行は, 梗塞巣が中間型および後方型の場合に認められ, 後方型の場合には麻痺の進行がより重度であった. (2)高齢者でも壮年者と同様に麻痺は回...

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Veröffentlicht in:日本農村医学会雑誌 2005, Vol.53 (5), p.826-827
Hauptverfasser: 齋藤 武, 奥山由紀, 貝沼美智子, 小林紀枝, 今井美保子, 宮内信一, 立石敦子, 梅田 貴, 平山則子, 品川良勝, 廣井鶴輝, 狩野瑞穂, 小田 温, 小出 章
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:〔はじめに〕放線冠部梗塞では, 入院後に麻痺が進行することがあり, その後歩行が自立する症例がある一方で, 訓練室では歩行可能となっても自宅では歩行できなくなる症例も経験する. 今回, 梗塞巣の部位により麻痺の進行や回復は異なるのか, また実用歩行に至った症例と至らなかった症例の違いは何か, 下肢機能に注目し, その要因を検討した. 〔対象〕過去2年7か月間に放線冠梗塞の診断で入院し, 入院後麻痺が進行した10名. 〔結果〕(1)放線冠梗塞における麻痺の進行は, 梗塞巣が中間型および後方型の場合に認められ, 後方型の場合には麻痺の進行がより重度であった. (2)高齢者でも壮年者と同様に麻痺は回復したが, 実用歩行には至らなかった症例が多かった. 〔考案〕将来的に実用歩行が困難と考えられる症例では, 退院後の生活環境を早期に把握し, ベッド周辺動作に重点を置きアプローチすることが実践的だと考えられた.
ISSN:0468-2513