18. 睡眠障害への援助-患者の嗜好を取り入れたアロマオイル入り足浴の効果

〔研究目的〕睡眠障害を訴える患者に対し, 患者の嗜好を取り入れたアロマオイル入り足浴を 施行することで良眠が得られないか検証する. 〔研究方法〕研究対象:入院後睡眠障害を訴えた患者19名. 研究期間:平成14年9月24日~11 月24日. 実施方法:好みのアロマオイルを患者に選択してもらい, 就寝前にアロマオイル入り足浴を5日間実施, 睡眠についての質問5項目 (入眠困難, 熟眠困難, 途中覚醒, 再眠困難, 覚醒時気分)と, 足浴の効果を4段階評価(良い4点~悪い1点)で質問紙を用いて調査し た. 〔結果および考察〕足浴実施前後で比較すると, 「寝つき」は, 12名中9名が改善, 「熟睡感」...

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Veröffentlicht in:日本農村医学会雑誌 2004, Vol.53 (4), p.733-734
Hauptverfasser: 加賀谷友子, 濱ひろみ, 北原美千代, 松尾めぐみ
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔研究目的〕睡眠障害を訴える患者に対し, 患者の嗜好を取り入れたアロマオイル入り足浴を 施行することで良眠が得られないか検証する. 〔研究方法〕研究対象:入院後睡眠障害を訴えた患者19名. 研究期間:平成14年9月24日~11 月24日. 実施方法:好みのアロマオイルを患者に選択してもらい, 就寝前にアロマオイル入り足浴を5日間実施, 睡眠についての質問5項目 (入眠困難, 熟眠困難, 途中覚醒, 再眠困難, 覚醒時気分)と, 足浴の効果を4段階評価(良い4点~悪い1点)で質問紙を用いて調査し た. 〔結果および考察〕足浴実施前後で比較すると, 「寝つき」は, 12名中9名が改善, 「熟睡感」では, 8名が改善し, 平均値も, 有意差が認められた. 「途中覚醒」, 「再入眠」, 「朝の気分」の平均値は上昇しているが有意差は認められなかった. 「足浴の効果」は, 1日目と4日目を比較すると, 平均値は上昇したが, 有意差はなかった. 睡眠剤の使用状況は, 定期の内服以外の追加はなく, 2名は完全に睡眠剤の内服 をやめられ1名は減量できた. 入眠時間の平均値は足浴前6.8時間, 足浴後6.5時間と実施後の時間が下回る結果となった. 睡眠時間が長くなっていないにも関わらず, 熟睡感が得られていることから, 睡眠は時間的な長さだけで規定されるものではなく, 質が問題といえる. より自然な眠りに近づける効果がアロマオイルにより得られ, 睡眠の質を上げるのに有効であったと考えられる. アロマオイルに対しては好ましい意見が多く, 不快感を訴えた患者はいなかった. アロマオイルをブレンドすることで, 相乗効果がえられ, 患者の嗜好により効果が左右されるという先行研究での課題は解消できたと思われる. 〔結論〕1. アロマオイル入り足浴は「途中覚醒」, 「再入眠」には効果が薄いが, 「睡眠導入」, 「熟睡感」には効果があった. 2. アロマオイルをブレンドし数種類用意する事で, より患者の嗜好に合ったアロマオイルの選択が可能になった.
ISSN:0468-2513