36. 地域における個別健康教育介入プログラムとその評価
〔目的〕近年, 健康教育をより効果的に進めるために, 専門家主導の指導から対象者主体の学 習援助型の参加型栄養教育への重要性が高まり, 市町村において個別健康教育が行われている. 本研究では, 地域住民を対象とし, 高脂血 症の健康教育介入プログラムとその評価を検討し, 高脂血症予防および進展防止のために, 地域に即した個別健康教育のあり方について検討した. 〔方法〕対象者は, 市の健診を受け血清総コレステロール値が220mg/dl 以上の者で参加意志のある10名である. 指導方法は保健同人社発行の「コレステロールを下げる個別健康教育」のモデルプランに基づき, 面接による個人指導, グループ討...
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Veröffentlicht in: | 日本農村医学会雑誌 2004, Vol.53 (4), p.715-716 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 〔目的〕近年, 健康教育をより効果的に進めるために, 専門家主導の指導から対象者主体の学 習援助型の参加型栄養教育への重要性が高まり, 市町村において個別健康教育が行われている. 本研究では, 地域住民を対象とし, 高脂血 症の健康教育介入プログラムとその評価を検討し, 高脂血症予防および進展防止のために, 地域に即した個別健康教育のあり方について検討した. 〔方法〕対象者は, 市の健診を受け血清総コレステロール値が220mg/dl 以上の者で参加意志のある10名である. 指導方法は保健同人社発行の「コレステロールを下げる個別健康教育」のモデルプランに基づき, 面接による個人指導, グループ討議, 集団指導を実施した. 指導者は 医師, 講師, 看護師, 栄養士, 保健師である. 指導期間は6か月間である. 〔結果〕(1)身体状況では開始時と終了時でBMI にほとんど変化はなかったが, 体脂肪率は減少傾向を示し, 除脂肪重量は増加傾向にあった. (2)血液検査の結果では, 開始時と終了時でHDL-コレステロール値に大きな変化は見られず, LDL-コレステロール値が大きく低 下した者の割合は少なかったが, 中性脂肪は, 異常のある者で正常域に改善された. (3)各月の連続4日間の食事調査による栄養素摂取量の変 化では, 摂取エネルギー量が是正され, 脂質エネルギー比や飽和脂肪酸の摂取量は減少した. しかし, まだ食物繊維や食塩の摂取量に問題のある者もいた. 〔考察〕高脂血症である者を対象に個別健康教育を行った結果, 身体状況に効果は現れたものの血液検査値の改善には至らず, 食生活を変容させることの難しさが明らかになった. 短期間で望ましい食習慣を身に付けさせ, それを継続させる動機づけが重要である. 初年度の評価を 次年度以降の指導計画に役立て, 健康教育を繰 り返し行うことによって, 地域の実態に即した独自のプログラムを作成することが今後の課題である. また, 今回栄養士は栄養調査時のみ関与しているが, 健康教育を成功させるめには, 各立場の専門性を生かして役割を分担しつつ, 相互に協力する体制が必要だと考えられる. |
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ISSN: | 0468-2513 |