5. 周東総合病院のMRSA 発生状況について
入院患者および外来患者さらには全職員の検診を通じてMRSA が既に環境菌化している事実を呈示し, 保菌率も長期入院患者, 重症者の多い科で高くなっていると述べた. とくに職員の鼻腔内保菌率が7.9%との報告は注目に値した. MRSA 感染の確定診断の報告は検体が提出されてから2~3日以内に行える体制を敷き, 感染者の隔離および易感染者の逆隔離に迅速に対応できるよう配慮しているとも述べた. 今後の課題としては, 平均在院日数の短縮が重要であると強調した. 最後に医師の立場から清水良一が小郡第一総合病院の院内感染対策の現況を報告した. 当院でも院内の環境調査からMRSA は既に環境菌として常在して...
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Veröffentlicht in: | 日本農村医学会雑誌 2000, Vol.49 (1), p.68-68 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 入院患者および外来患者さらには全職員の検診を通じてMRSA が既に環境菌化している事実を呈示し, 保菌率も長期入院患者, 重症者の多い科で高くなっていると述べた. とくに職員の鼻腔内保菌率が7.9%との報告は注目に値した. MRSA 感染の確定診断の報告は検体が提出されてから2~3日以内に行える体制を敷き, 感染者の隔離および易感染者の逆隔離に迅速に対応できるよう配慮しているとも述べた. 今後の課題としては, 平均在院日数の短縮が重要であると強調した. 最後に医師の立場から清水良一が小郡第一総合病院の院内感染対策の現況を報告した. 当院でも院内の環境調査からMRSA は既に環境菌として常在していること. 院内でのMRSA 感染症の発症は低栄養とくに低アルブミン血症の患者に集中していたことより, 基本的に易感染者(周術期患者も含む)に対しては, 医療従事者を介しての感染を防止することに重点を置き, 冒頭の清水典子氏の報告のごとく一行為一手袋を基本に患者と接していること. この行為は最小単位の逆隔離とも位置づけられること. また, 毎月の院内感染対策費(10万円弱)の大部分を全入院患者の入院時の鼻腔内MRSA スクリーニングに当て, 保菌患者本人の教育および担当医療従事者への啓蒙に役立てていること. 結果として本マニュアル施行後はMRSA感染症の患者発生率は0.5%の水準を維持できていることを報告した. このあとの全員討論では, 限られた時間内では決め手となる院内感染対策を結論づけることは不可能であるとの認識のもと, 各施設の規模に応じたシステム作りに, 本日の討論が少しでも参考になれば良いのではないかという意見が大勢を占めた. なお, 小郡第一総合病院のMRSA 感染症の患者発生率が低いのは, 過去1年間に日帰り手術の導入等で平均在院日数が15.5日と前年度より2日程度短縮されたことも大きく寄与しているとの認識で一致した. |
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ISSN: | 0468-2513 |