6. 診断に苦慮した肝海綿状血管腫の1例
症例は70歳の男性. 肝疾患の既往なく, 出生時より遠軽町に居住していた. 平成10年11月スクリーニング腹部超音波検査で肝(S8, 直径3.5cm)と右腎に一部石灰化し隔壁様構造を伴った嚢胞性腫瘤を認め, 精査のため入院した. 血液・生化学検査, 腫瘍マーカー, 上部・下部消化管内視鏡検査に異常なかった. 肝病変は単純CT上low density massでMRではT1強調でlow, T2強調でstrong high intensityを示したが, 肝ダイナミックCT, MRともに造影されなかった. 腹部血管造影でも腫瘍血管描出されず, 肝エキノコックス症を含めた肝嚢胞性病変あるいは腫瘍性病...
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Veröffentlicht in: | 日本農村医学会雑誌 2000, Vol.48 (5), p.757-758 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は70歳の男性. 肝疾患の既往なく, 出生時より遠軽町に居住していた. 平成10年11月スクリーニング腹部超音波検査で肝(S8, 直径3.5cm)と右腎に一部石灰化し隔壁様構造を伴った嚢胞性腫瘤を認め, 精査のため入院した. 血液・生化学検査, 腫瘍マーカー, 上部・下部消化管内視鏡検査に異常なかった. 肝病変は単純CT上low density massでMRではT1強調でlow, T2強調でstrong high intensityを示したが, 肝ダイナミックCT, MRともに造影されなかった. 腹部血管造影でも腫瘍血管描出されず, 肝エキノコックス症を含めた肝嚢胞性病変あるいは腫瘍性病変を疑った. しかし, 抗エキノコックス抗体はELISA法, ウエスタンブロット法とも陰性であり, 悪性腫瘍の肝転移も否定できず, 確定診断のため肝生検を行ったところ, 病理組織学的に管腔構造の内部に血管内皮細胞が証明され肝海綿状血管腫と診断された. |
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ISSN: | 0468-2513 |